Mr.Children「重力と呼吸」全曲紹介 ~ライブに参戦した上での感想~

アルバム全曲紹介

こんばんは、”Your Songのイントロを聴くと毎回泣きそうになってしまう”まんじろうです。

今回は、2018年10月3日に発売されたMr.Childrenの19thアルバム「重力と呼吸」を全曲ご紹介してみたいと思います。

このアルバムを引っさげて行われた2本のライブツアー「Tour2018-19 重力と呼吸」、「DomeTour2019 Against All GRAVITY」に両方とも大阪で参戦した感想も踏まえて、全曲ご紹介していこうと思います。

スポンサーリンク

Mr.Children「重力と呼吸」全曲紹介

「Your Song」

“シンプルイズベスト”な本アルバムのキー曲。重力と呼吸ツアーでは”アンコール最後の1曲”、ドームツアーでは”本編開幕の1曲”に選ばれた曲。

そのまま聴くと、どこにでもあるような単純なラブソングに聴こえるかもしれませんが、アリーナツアーのアンコールで桜井さんが明言してくれた通り、“Your Song”=”(ファンでいてくれている)あなたの歌”です。決して派手な曲ではありませんが、飾らないミスチルの良さが最大限発揮されている名曲だと思います。

YouTube公式チャンネルより、MVが公開されていますがとてもシンプルにただただ演奏しているメンバー4人の姿が収められているシンプルなミュージックビデオになっています。

前作より3年4か月も待った、待望の新作1曲目が「Your Song」でファンとしては本当に嬉しかったです。そしてアルバムと同時に発売された全曲詩集のタイトルにも「Your Song」と名付けるMr.Childrenの”優しさ”がやっぱり大好きです。

そう君じゃなきゃ 君じゃなきゃ。

「海にて、心は裸になりたがる」

アルバム制作時のインタビュー等でメンバーが口を揃えて「こんなにストレートな8ビートのビートロックを今さらやるのは恥ずかしい(笑)」と語っていたのとは裏腹に、

ライブではサビの”叫び”で会場全体がひとつになれる、とてもスケールの大きな曲になっていました。桜井さんにマイクを向けられて、ナカケーが叫ぶほどに(笑)

「SINGLES」

重力と呼吸ツアーにて本編開幕の1曲となった曲。”守るべき”愛する人を失った喪失感でもがきながらも、それを越えて行こうとする孤独の歌。“孤独=SINGLE”ですが、それが複数形になり“SINGLES”となっているところが、とてもミスチルらしいと思います。

ライブでは何の前触れもなく唐突に力強い演奏が始まるため、とてもライブ映えする曲となっていました。2番サビの歌詞、

「守るべきものの数だけ 人は弱くなるなら 今の僕はあの日より きっと強くなったろう」

ありふれた表現を逆手に取ったミスチルらしい秀逸な表現だと思います。参りました。

「here comes my love」

「しるし」「365日」「放たれる」の系譜に続く壮大なラブバラード。ドームツアーでは残念ながら演奏されず、重力と呼吸ツアーのアンコールでのみ演奏されていました。やや諦めムードの主人公が、それでも諦めきれずに”君”を想い続ける希望の歌。

この曲はMV(ミュージックビデオ)の代わりに、楽曲の世界観を表現した約10分のMusic Short Film(ミュージックショートフィルム)が制作され公開されています。ショートフィルムのシナリオも併せて公式サイトで公開されており、シナリオのラストに曲名の由来が書かれています

演奏面では、「Everything(I’ts you)」を彷彿とさせる桜井さん渾身のギターソロは必聴です!!

「箱庭」

初期のミスチルっぽい雰囲気ながらも、愛する人を失った過去に囚われ続けている主人公を歌った歌。今回のコンセプトにあまり沿わなかったのか、この曲は今回の2本のツアーでは演奏されませんでした。

アルバムでの収録順で見ると、「SINGLES」「here comes my love」「箱庭」と喪失感ソング3部作となっており、主人公がどんどん凹んでいっていますね・・・。この曲順もやはりわざとなのでしょうか・・・???

「addiction」

この曲もツアーではサビの「more! more! more!」で会場全体が一つになる、とてもライブ映えする楽曲となっていました。ナカケーのうねるようなベースラインがとてもカッコいい曲です。

今回の「重力と呼吸」を引っさげた2つのツアーでは、全体的にナカケーのベースがとても力強く鳴っており、バンドの演奏がとても迫力あるものになっていました。

「day by day (愛犬クルの物語)」

こちらもとてもストレートなビートロックに乗せた、ミスチル初(!?)の犬が主人公となるかわいい楽曲。に聴こえますが、実は恐らく帰ってくることはないであろう”主人”を健気にいつまでも待ち続けるとても切ない歌。

サビの突き抜けるようなメロディも相まって、聴いていると泣いてしまいそうになります・・・。今回のアルバム曲のなかで個人的に1番好きな曲でしたが、残念ながら今回のツアーでは演奏されませんでしたので、今後のツアーで演奏されることを切に願いながら待ち続けます・・・。あぁ、切ない・・・。

「秋がくれた切符」

重力と呼吸ツアーのアンコールにて、桜井さんが「公園にいるような気分で歌わせて下さい」とステージ上のモニターに腰かけて歌っていた、とてもメロディがきれいな優しい秋の歌。

“秋に公園を歩いている最中に、木の葉がひらりと舞い落ちてきた”たったこれだけのありふれた日常のワンシーンでさえもミスチルにかかれば、こんなに素敵な楽曲になってしまうのですね。

「himawari」

今作「重力と呼吸」のアルバムコンセプトでもある“バンドとしての純粋な力強さ”を決定づけたきっかけになったと言っても過言ではない最重要曲。アルバムの中で最も重厚なサウンドで奏でられる、“亡くなってしまった君”への忘れられない想い、苦しみを叫ぶ渾身のロックバラード

アルバム発売前に全国で盛大に開催された25周年ドーム&スタジアムツアー”Thanksgiving25″にて初披露された時から、この曲の持つ圧倒的な熱量にやられてしまいました。特筆すべきは“田原さんのディストーションギター”、これまでのMr.Childrenの楽曲の中でも群を抜いて前面に押し出された歪(ひず)んだギターが印象的です。桜井さんもこの曲を歌う時は、イントロで激しいステップを踏み、マイクスタンドを傾けながら、熱く歌われています。

この曲は映画「君の膵臓をたべたい」の主題歌となっており、歌詞もかなり映画の内容に沿った内容となっていますが、実はこの曲ができたのは映画タイアップが決まる前とのことです。桜井和寿、恐るべし。

「皮膚呼吸」

ここまでアルバムの全曲を紹介してきて、お気付きの方もいるかと思いますが、今作「重力と呼吸」に収録されている楽曲はどこか他人事というか、楽曲の中に明確に主人公が存在しており、その主人公の物語を客観的な立場で歌っているように感じます。(雑誌等のインタビューでも桜井さん自身が今作はバンドサウンドを重視しており、今作に限っては歌詞にあまり重きをおいていない旨の発言もされていました)

ですが、この「皮膚呼吸」だけはMr.Children、ひいては桜井さん自身が主人公のような気がしています前作「REFLECTION」収録の「未完」でも歌っていた通り、まだまだこれが完成形とは認めたくないけど、現実は”自分探しに夢中でいられるような子供じゃない”・・・。それでも、日々もがきながらも無我夢中で自分の中に取り入れたもの=無意識に全身で行う”皮膚呼吸”と例えて、今日も自分を試していく。そんな決意を再確認する歌。重力と呼吸ツアーでは本編のラスト、ドームツアーではアンコールのラストに演奏されていました。

1989年に結成し、今年2019年で結成30周年を迎える、メンバー全員50歳となる国民的バンドがまだまだ上を目指すという、この謙虚な姿勢こそがMr.Children最大の魅力だと思います。

総括 ~重力と呼吸とは~

本作「重力と呼吸」発売前、公式サイトにて桜井さんご本人より下記のような大胆なコメントが発表されています。

やっと新しいアルバムについて口を開ける口を開けるので思いっきり大口を叩きます。

最高のアルバムが出来ました!!

「Mr.Childrenを聴いて音楽をはじめました」と話してくれる後輩のミュージシャンと出逢うことがあり、それはとても嬉しいことだが、Mr.Childrenはまだまだ目指すものがあり強い憧れを持って音楽と向き合っているので少し複雑な気持ちになります。

そんな後輩ミュージシャンがこのアルバムを聴くと、音楽をやめたくなるような、もうMr.Childrenを目標にするなんて思わないくらい圧倒的な音にしたいという熱い気持ちでアルバム制作に向かいました。で、その通りの音になっていると思います。是非聞いてください!!!

前作より小林武史さんからのプロデュースを離れ、完全にセルプロデュースとなった新生Mr.Children。できる限り等身大のバンドサウンドを鳴らしたいというMr.Childrenの”今”が凝縮された最新作「重力と呼吸」を、是非聴いてみてください。

そして、ライブに行けなかった方も映像作品で是非とも”今”のMr.Childrenを体感してみてください。おしまい。

コメント

タイトルとURLをコピーしました