こんばんは、まんじろう(@manjirooblog)です。
この記事では、Mr.Children18枚目のアルバム「REFLECTION」から、{Drip}盤に収録されている楽曲を全曲紹介しようと思います。では、どうぞ!
Mr.Children「REFLECTION」{Drip}全曲紹介
「REFLECTION」アルバムタイトルの由来
アルバムタイトルを「REFLECTION」と命名したのは、ギター担当の田原健一さんです。
アルバム発売前に開催された、未発表楽曲をメインに演奏されたファンクラブ限定ツアー(「Mr.Children REFLECTION」として映画化もされています)にて、カメラマンが撮影した写真の中でライブの照明が反射し、ステージと客席に”光のモヤ”のようなものが写り込んでいるのを「ミュージシャンである自分達が音楽として発信している”想い”と、それを受け止めて聴いてくれるオーディエンスの”想い”が、互いに反射して写真に写り込んでいるように見えた。」ことからだそうです。素敵な由来ですね。
普段は寡黙な田原さんが、たまに発する言葉にはとても強い説得力があるように感じます。
「未完」
桜井さんが愛機”Blue Flower”を掻き鳴らしながら熱く叫び倒す、熱意と勢いに満ち溢れたロックナンバー。「だからもう ユニフォームを脱いで!脱いで! 自由!自由!自由!」の部分の勢いと熱量がヤバ過ぎる。
桜井さん曰く「Mr.Childrenというバンドはほんと完成されないバンドだなと。ずっと完成されない”未完成”の状態で、これからも常に前に進み続けたい。」という想いが込められた楽曲。
本作を引っさげて行われたスタジアムツアーのタイトルにも使用され、「未完」を文字った「みかん箱」デザインのツアーグッズも作られていましたね。買わなかったけど(笑)
「FIGHT CLUB」
同名映画をモチーフとして制作された楽曲。仮タイトルは「疾走POP」。
“自分は特別”だと思い込んでいた過去の思い出を胸に、今目の前に立ちはだかる”日常”と戦っていく2人のための歌。
演奏面では仮タイトルの通り、イントロのギターに引っ張られるように疾走感溢れるバンドサウンドに仕上がっていると思います。田原様の貫禄たっぷりギターソロからラストサビのブレイク(一瞬演奏が止まる空白部分)がたまりません。
「斜陽」
自身のライブで披露となる前に、地上波でのFNS歌謡祭にて初披露されていた楽曲。
仮タイトルは「さらば、エリナー・リグズビー」、タイトルは太宰治の同名小説が由来。
“斜陽”という言葉には「西に傾いた太陽またはその光」「夕日」という意味の他に「勢いのあったものが衰退していく様」「没落していく様」という意味もあるそうです。
よって、この曲は「陽が落ちかけている夕日の風景(=斜陽)」と「衰退していく現実(=斜陽)に抗い、青い蒼い空を信じる主人公の希望」の両方を歌ったWミーニングになっているように思います。
JENの行進曲風のドラムが特徴的で、とても力強い楽曲です。
「Melody」
35thシングル「足音 ~Be Strong」のカップリングとして初出した楽曲で、化粧品「マキアージュ」のCMタイアップソング。
キラキラしているサウンドの雰囲気や、サビの「クリスマス」という歌詞につられて”華やかな暮らしの歌“と勘違いされそうな気がするのですが、歌詞をよくよく見てみると「苛立ちの毎日」「行き詰った暮らし」を送る「人恋しくて心切ない夜に一緒にいてくれる人」がいない非リア充な主人公の歌です(笑)
ですが、そんな勘違いを起こさせる「心躍るメロディ」を探し当てた主人公の勝ちですね。
「蜘蛛の糸」
この曲も芥川龍之介の同名小説がタイトルの由来。仮タイトルは「ボズ・スキャッグス」。
桜井さん曰く「大人のラブソング」だそうで、歌詞もなかなかアダルトな匂いがプンプンしますので、この曲については特に何も言うことは無いかと思います(笑)
ピアノとストリングスとメロディがとても美しい、儚げなラブソングだと思います。
「Starting Over」
映画「バケモノの子」の主題歌。仮タイトルは「ノブナガ」「Be Strong」であり、制作が非常に難航し、この曲が生まれる過程で「足音 ~Be Strong」が生まれたというドラマが起きた楽曲。
その模様はアルバム発売前に、NHKで「SONGS」として放送されました。あのドキュメンタリーはDrip盤付属のDVDよりも内容が非常に濃く、とても素晴らしいので是が非でも観て頂きたい。最後の「音楽しかない、退屈で、素晴らしい日常が続きます。」というナレーションが「Mr.Children」というバンドの本質を突いていて、素晴らしかったです。
「Starting Over」と「足音」の制作秘話
前述の通り、この曲は「足音 ~Be Strong」と双子の曲にあたります。
はじめに、ドラマ「信長協奏曲」主題歌のオファーが来た際に「ノブナガ」というこの曲の原型がつくられたが、その後もっと良くしようと何度も試行錯誤しバージョンアップを重ねた「Be Strong」が出来たのですが、「Be Strong」はスタッフの反応に手ごたえが無く、桜井さん自身が相当落ち込んだそうです。その日に改めて「ノブナガ」を聴き直すと、何も手を加えていない閃きだけで作った「ノブナガ」の方が良く聞こえてしまい、「もうこれでオレは一生良い曲を作ることは無理だな…」と絶望感に苛まれながら、その日は眠りについたそうです。
すると翌朝、とあるAメロが浮かび、それを発展させて完成した曲が「足音」だったそうです。だからサブタイトルに「~Be Strong」がついているんですね。
その後「足音」が出来たことによって、ボツになりかけた「ノブナガ」を1から真っ新な気持ちで完成させた曲がこの「Starting Over」になったそうです。
よって、”この曲がなければ“、あるいは”1発でドラマタイアップが決まっていれば“「足音」は生まれていなかったことになります。そういう経緯があるため、双子の曲ということです。
歌詞については、約20年間一緒に音楽を制作してきたプロデューサー”小林武史”さんの手を離れ、セルフプロデュースという「新たな旅立ち(=Starting Over)」への決意が強く反映されているように思います。
自分を良く見せようとする「虚栄心」やプレッシャーにつぶされそうな「恐怖心」をモンスターに例えて、そのモンスターを自らの手で撃ち殺す歌ですね。歌詞的にもサウンド的にも”これぞミスチル”といった王道的な大名曲に仕上がっているかと思います。
今回のアルバムでは他の曲でも「殺す」という表現が多かったように思います。その理由はこの曲のテーマでもある「何かが終わり、また何かが始まるんだ」の部分に集約されているのではないかなと思いました。きっと。
「忘れ得ぬ人」
1番はピアノと歌だけ、2番からバンドが演奏に入ってくる楽曲。
この曲に関しては、とても有力な噂があります。「忘れ得ぬ人=小林武史」説です。
何も事情を知らない人が聴けば、ただのラブソングに聴こえるんでしょうけど、もう私には小林さんへのラブソングにしか聴こえません。
歌詞にピアノも出てきますし、「忘れ得ぬ人=小林さん」とだけするのではなく「忘れ得ぬ人=小林さんと一緒に作る音楽」ともすると、「理想通りの美しさ」や「胸を濡らしていく」や
「忘れ得ぬ人だけが心にいる」も綺麗に筋が通るんですよね。
今作だけでも、「映画」も「苦悩」も「ことわざ」も曲に昇華してしまう人が、約20数年間ともに音楽を作ってきた恩人との別れを曲にしないわけがないですもんね。Drip盤における曲順的にも。桜井さんご本人の明確な証言は無いですが、私はそう信じていたいです。
「REFLECTION」
ファンクラブ限定ツアーの模様を映画化した「Mr.Children REFLECTION」のテーマ曲であり、ピアノだけのインストゥルメンタル曲。
このピアノは、桜井さんご本人が演奏されたもので「コードに縛られたくない」という理由により、ピアノカバーの布を鍵盤に被せたまま下に手を潜らせて作曲したらしいです。
「fantasy」
BMWのCMタイアップソング。仮タイトルは「王道」。
ライブの1曲目を想定して制作された楽曲で、アルバム発売前に行われたREFLECTIONツアーでは想定通り、1曲目で初披露されていました。映像化もされているツアーファイナルでの1サビ後の「さぁ~旅立とう~~~♫ イェエエエエイ!!!!!」の気合いがハンパなかったですね。あれは本当に痺れました。
歌詞については「世の中で常に言われている”希望”や”願い”や”勘違い”や”嘘”も何もかもを引き連れて、日常に葬られている非日常(=fantasy)へ飛び立とう」という内容で、
2段階のイントロも、サビの王道感も、良いことも悪いこともまとめて全てを受け入れている歌詞も、どこを取っても”ミスチルらしい”名曲だと思います。オススメ。
「REM」
5th配信限定シングル曲であり、映画「リアル〜完全なる首長竜の日〜」主題歌。そして、ミスチル史上最も、楽曲発表からCD化までの期間が長い(約2年)楽曲。
この曲は初めて聴いたときに「ミスチルどうした!?!?」と思ってしまいました(笑)
最初のAメロの「あなた知らないかあああああ⤴」で皆さんもノックアウトされましたよね(笑)
この頃のFC会報に、桜井さんが大量の新曲のデモ音源を全身全霊で作っているという情報が書かれていました。「HOME」~「SENSE」の頃は小林さんも含めてのバンドセッションで曲を作る手法が多かったと思うので、「再びバンドサウンド剥き出しのミスチルが聴けるのではないか?」と楽しみにしていましたが、実際に「REFLECTION」が完成しフタを開けてみるとその通りでしたね。
サウンド面では、これまで発表されてきた楽曲の中でもトップクラスにロック色が強くぶっ飛んでいると思いますが、歌詞はけっこう切なく「現実と夢が絡まった世界に迷い込んでしまった主人公が、自分の中の”無意識“と戦いながら、”出口“と”君“を泣きながら探している」っていう感じですかね。書いててめちゃくちゃ切なくなってきました…。サビのナカケーのベース、カッいいなぁ…。
Drip盤での曲順「fantasy」からの「REM」という、現実と異世界の対比も素晴らしいですね。
「WALTZ」
仮タイトルは「ワルツ」。「REM」から続くシリアスゾーンですね。
この曲はインターネットで少し騒がれていましたが、完全に「就職活動」をモチーフとして、皮肉たっぷりに歌っている楽曲ですね。こういうダークな雰囲気のミスチルも大好物です。
最近の若者はよく「やりたいことが無いのか?」とか「チャレンジ精神が感じられない!」など悪いように言われがちな気がしますが、この曲もそんなイメージで「自分がどうしたいのかすらわからないまま、”社会”という名の”ワルツ“に踊らされて、投げやりに叫ぶ若者」の歌ですね。
演奏面では、田原様のギターソロが”古き良きゲームの戦闘BGM”みたいに無機質でカッコいいですね。ライブでは桜井さんはヴァーチャルの女性と踊っていました(笑)
「進化論」
日本テレビ系「NEWS ZERO」のテーマソング。仮タイトルは「すなおな曲」。
この曲はもう、映画「REFLECTION」でのMCだけで泣きそうになりましたね…。
ミスチルの真骨頂である「地味なんだけど、強くて優しい」タイプの楽曲だと思います。このタイプには本当に弱いんです…。
仮タイトルの通り、歌詞も素直でとてもわかりやすいと思います。Cメロの
「変わらないことがあるとすれば 皆変わっていくってことじゃないかな?」
という歌詞は、とてもミスチルらしいフレーズだと思います。
そして、個人的にミスチルの1番好きな部分が「すべて受け入れて」の部分に凝縮されていると思います。「REFLECTION」の様々な曲でも歌われていますし、これまでのミスチルの曲達の根幹ともなる部分だと思っています。
“何かが生まれ また何かが死んでいく”ことも、
“願い”も“自信”も“皮肉”も“希望”も“勘違い”も“嘘”も、
“そのまま消えちゃうこと”も“いつか骨になっちまうこと”も、
“すべてのことを真っ直ぐに受け止め”るからこそ、
“恐れるものは何もないとつよがりじゃなく思える”し、
“また一歩 あと一歩 足音を踏み鳴らせ”るのではないかなと、
「REFLECTION」を通じて感じました。
“何でも自分の思うとおりにできること”が強いんじゃなくて、
“どんなことが起こっても全てを受け入れたうえで、動じずに自分を貫くことができること”
が強いということをミスチルから教えてもらった気がしています。
「幻聴」
特にタイアップが決まっているわけではないですが、映画「REFLECTION」のクライマックスを飾った楽曲。劇中、他の曲では初めて聴くことになるファンに向けて、丁寧にMCで解説されていましたが、この曲だけは特に何の説明もないまま初披露されていました。
それは恐らく、この曲が「ミスチル側から見たファンとの関係性」を歌った曲で、「説明などしなくても伝わる!とミスチルがファンのことを信じてくれていたからではないか?」と勝手に推測しているのですが、これが当たっていると嬉しいですね。この曲を聴くと、自然と映画のあのクライマックスの雰囲気を思い出してしまいます。
桜井さんは以前に、どこかのインタビューで「実際の会場でリハーサルをしている際、お客さんはまだ会場に入っていないのに、お客さんの声が聞こえることがある」という話を何度かされていたように思います。そのエピソードを歌にしたのが「幻聴」だと思います。「夢から夢へと橋を架けて渡るイメージ」はツアーのことにしか思えませんもんね。
この曲はライブで聴くと、さらに魅力が一段と増す曲だと思います。
「足音 ~Be Strong」
ドラマ&映画「信長協奏曲」の主題歌。
「REFLECTION」唯一のCDとして発売した35枚目のシングル曲。
そして、Mr.Childrenにとっても初のセルフプロデュースというとても大切な楽曲。
個人的にも、学生時代最後のタイミングでリリースされたことや、大学時代の全てだった軽音サークルでの最後のライブで演奏したこともあり、思い入れが非常に深い大切な曲になりました。1番シンプルな質問でありながら、1番ミスチルファン殺しの質問でもある「ミスチルで1番好きな曲は?」と聴かれたときは「足音 ~Be Strong」と答えるようにしています。
シンプルで力強い演奏に、何の説明も要らないぐらいにわかりやすい歌詞。”2サビ”からの”Cメロ”からの”ラストサビ”には、本当に何回泣かされたことか…(泣)
「この足音を聞いてる 誰かがきっといる」
これからも人生の節目で聴いて、何度も励まされることになるのでしょう。ありがとう。
全曲紹介は{Naked}盤へ続きます。
ここまで全14曲と、通常のアルバムとしても”やや多め”の曲数をご紹介してきましたが、「REFLECTION」は全23曲収録の超大作なので、次の記事へと続きます。
個人的にミスチル史上最高傑作だと思う、18thアルバム「REFLECTION」の{Naked}盤を全曲紹介してみました。
是非こちらもチェックしてみてくださいね。
最期まで読んで下さって、ありがとうございました。おしまい。
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