こんにちは、まんじろう(@manjirooblog)です。
こちらのブログも新譜のタイミングでしか更新できておりませんが、またまた我らのフラッドが最高のロックンロールアルバムを届けてくれましたので、a flood of circle 12枚目のアルバム「花降る空に不滅の歌を」を全曲ご紹介しようと思います。
全10曲とコンパクトですが、どれもこれも中身が濃い名曲だらけでしたので、ツアーで演奏された時の個人的な感想も含めて、1曲ずつ丁寧にご紹介してみようかと思います。
それでは、どうぞ!
a flood of circle「花降る空に不滅の歌を」全曲紹介
「月夜の道を俺が行く」
アルバム発売直前に、佐々木さんご本人初監督のMVと同時に解禁された衝撃作。これを初めて聴いて衝撃を受けなかった人はいないんじゃないかと思うくらいの“開き直りブチ切れソング”。
まずは、イントロやギターソロが聴かずに飛ばされてしまうという、(個人的にはあり得ない)この令和の時代に、アルバムの幕開けを「ROCK’N’ROLL〜!!」と堂々と叫んでくれて、引き受けてくれる a flood of circle、ひいては佐々木亮介に感謝しかないです。マジで最高過ぎます。
と、「カッコつけたけど迷子…」から始まり現状に対する不満を、これでもかとぶち撒けながらも、結局は”自分”しか無いと、ついに歌詞に”佐々木亮介”とまで入れ、「何の意味もない歌だ!酸素、電気の無駄だ!」とまで叫んでしまう開き直りっぷり。歌詞だけ読むと、もう完全に諦めモードに思えるのに、これを佐々木さんが歌うとなぜか”前向きな開き直り”に聴こえてくるのは、これまで魅せ続けてくれた”生き様”のおかげですよね。
この曲を1曲目として聴く時と、アルバムを通して聴いた後に、もう一度聴く時では印象が異なり、改めて決意の固さが伝わってくるような気がしました。
ツアーでも本編クライマックスの場面で満を持して演奏され、佐々木さんの勢いも凄かったですが、ナベちゃんのドラムの迫力が凄まじいことになっておりました。”気合い”に満ち溢れたと言いますか、“気合い”でしかない1曲とかと思います。
a flood of circleとして、佐々木亮介としては恐らくドン底で、同時に孤独な時期でもあった「花」の頃を思うと、この楽曲を“バンドとしての4人”で爆音で鳴らせている現状に少し泣けてきます…。
前作のアルバム「伝説の夜を君と」ツアーファイナルで突然、本当に急に髪の毛を染めて、フラッドファン界隈を驚かせた「佐々木ヘアカラー問題」も、今ではすっかり見慣れてきましたね(笑)
金髪の佐々木さんは↓のMVでどうぞ。
俺の夢を叶えるやつは俺しかいない 俺は行く いつもの道を
< 追伸 >
この曲が「ダウンタウンDX」の3月~4月の月間エンディング曲に決定したことで、「金髪黄色革ジャンの佐々木亮介が、地上波のTVで叫んでいる」という事態になっておりましたが、少しでもafocを知らない人に届いてくれていたら嬉しい限りですね。
「バードヘッドブルース」
間髪入れずに続くのは、「オレの頭はカラスサイズだから、もうこれしかできねぇんだ!」と、これまた開き直っている“鳥目線での開き直りソング”。ツアーではど頭の1曲目で披露されておりました。
「まだオレは鳥のことを歌ってんのか?まだ飛ぼうとしてんのか?」とご本人もラジオで仰っていましたが、フラッドの楽曲にはわりと初期の頃から鳥モチーフの歌が多いですよね。
こちらも完全に新曲なんですけど、この曲のバンドサウンドの雰囲気がまさにいつもの「a flood of circle」という感じで、逆に聴いていて安心してしまう心地良さです。
歌詞で言うと、2番の「底抜け」のくだりの笑っちゃうくらいの開き直りっぷりと、そこからの「メシ食うことばっか 考えてろバカ」のダブルミーニングがエモ過ぎます。
“ロックンロール”を鳴らし続ける、”諦め”と”覚悟”がぎっしりと詰まった”鳥の歌”。
メシ食うことばっか 考えてろバカ Oh Yeah
悩んでみた 変わんなかった 選ぶ余裕はないんだ
「くたばれマイダーリン」
少し物騒な曲名に聞こえてしまいますが、“引っ越し”をモチーフにした、裏返った本音の歌。
ラジオでの佐々木さん曰く、「”引っ越し”という超エモエモな行為を、”引っ越し”という単語を使わずに書いた。この世の中には、謎の文化がたくさんあるけど、“引っ越し蕎麦”がマジで謎。」とのことでした。
「もし、自分のパートナー目線で、自分のことを見た時に”くたばれ”って思うんだろうなぁってことで書きました(笑)」とご本人様は言ってましたけど、(個人的には)こんなに良い歌詞を書ける人が”大事なこと分かってない”わけがないと思ってしまいますよね?(笑)。
これも毎度毎度言っていることですが、うるさくてカッコいいロックンロールだけじゃなく、こんな”優しい歌”もいつも届けてくれるところが、フラッドの本当に好きなところです。
個人的に、今回のアルバムで1番大好きな名曲となりました。是非とも弾き語りでやってみたいのですが、個人的に歌がかなり厳しいんですよね…。
暮らしはどうせ永遠不安定 男も女もないでしょう
何十億人いるか知ってる そばにいるのは一人だけ
< 追伸 >
またまた歌詞に出てきました”ガムテ”。私は”ガムテープ”のことを”ガムテ”と呼んだことは恐らく無いと思いますが、今度言ってみようかな。ガムテ。
「如何様師のバラード」
続いての曲は、少し前に京都磔磔にて自主企画でなぜか対バンしたこともあった、お笑いコンビの”金属バット”とのMVでのコラボが話題となった楽曲。
MVを観た感想としては、スタイリスト役のHISAYO姐さんが似合っていたことと、イカサマ音楽プロデューサー役としての佐々木さんがハマり過ぎてて爆笑してしまったことですかね(爆)。この時の髪色がピンク色で、本物の詐欺師にしか見えませんでした…(笑)
この「如何様師のバラード」、聴いてみれば分かるのですが、だいぶアップテンポで全然一般的なバラードじゃないので、はじめは「まさかのタイトルすらイカサマ!?!?」と疑ってしまいましたが、ラジオでのご本人談では「こういう生き方しかできなかったって、これはもう泣けるでしょ?」ということで、曲調では無く、歌詞の主人公的にバラードということだったみたいですね…(笑)
この曲はもう、こういう具合に歌わせたらと言うか、喋らせたらと言うか、好き放題させたら右に出る者はいないでしょう!というぐらい、佐々木節全開の痛快な1曲。ツアーで披露された際は、ハンドマイクでまさかの客席を突き進んで、バーカウンターまで自らおかわりをもらいに行かれておりました(笑)
「バレちゃうまでは 命懸け喋る 空っぽバレたらマッハで逃げる」とか「壺からハッピーこんちわ」とか最高過ぎるでしょ?それでもオチは、綺麗に締めくくられていて流石です。
近年のフラッドは、ライブでの佐々木ハンドマイク楽曲が強すぎる(それは同時に後ろの楽器陣3名が強い!)ので、そのうち「佐々木ハンドマイク縛りナイト」やって欲しいですね。(そして、それはいつも通り東京のみで開催され、田舎暮らしの私は参戦できず、指をくわえて羨むことしかできないまでがワンセットです。せめて配信だけは頼みます…。)
馬鹿になれ 壺からハッピーこんちわ
みたいな商売やってりゃ サクッとくれんすか Money
「本気で生きているのなら」
今作を引っ提げて行われたツアーでも、本編のラストに演奏された、アコギ弾き語りから始まる自問自答の歌。
アルバムに収録されているスタジオ音源ももちろん素晴らしいのですが、佐々木さんもツアー各地で「同じ歌詞では歌っていない」と言うほど、その場その場で歌詞や歌い回しを変えながら、歌と語りの境目を見失ってしまいそうなくらい自然に、自由に演奏されていた、フラッドの楽曲だけれども、佐々木さん個人の歌。
私みたいに、佐々木さんを恩人のように感謝している人間からすると「お願いだから、そんなこと言わないで〜」となってしまうくらいに、赤裸々で攻めた歌詞なのですが、最初と最後で真逆に聞こえる「これでいいんだ」と綺麗に前向きに着地して終わるところが流石です。
ご本人的には、ご自身にだけ向けて歌われているのでしょうが、その圧倒的な熱量によって、聴く人の背中をも強く押してくれる、熱い応援歌だと思っています。
本気で叶えたい夢ならば どんなに遠くても進む限り近づく
本気で生きているのなら やるべきことはたった一つ 踏み出せ
「カメラソング」
フラッドのアルバム名物、”ポケットサイズの歌”枠、今回はカメラがモチーフですね。
前の曲から引きずったまま泣きそうになっているリスナー達に「ハイチーズ 笑ってほしいよダーリン」と、完璧過ぎる入り方から始まり、可愛い歌詞や、エモい歌詞に紛れて、佐々木語録が随所に散りばめられている名曲。
個人的には「幻のくせに 何故か消えない」が佐々木さんらしくて素敵ですね。たしかに。
ハイチーズ 笑ってほしいよダーリン
「花降る空に不滅の歌を」
ただひたすらに前に進み続ける、元気一杯でわんぱくな、アルバムタイトルを冠する楽曲。
誰かのおせっかいな助言や、優しい忠告も聞こえないくらいに、”大好きな歌=自分にとっての不滅の歌”を爆音で聴きながら、時には歌いながら、何にも構わずにただただ進み続けるベイビーの物語。
Zepp Shinjukuでのツアーファイナルでは、ラストのサビでステージの上から花びらが舞い落ちてくる演出があり、とても綺麗でしたね。(トップ画像の場面です↑)
大好きな「春の嵐」や「バタフライソング」の系譜である曲調も大好きなのですが、ラストの「世界のエンドロール」のくだりがカッコ良すぎて、カッコ良すぎて…。やっぱり、大切なこと分かってるじゃないっすか〜。(上記参照)
現実を見た 知ってたんだベイビー 世界のエンドロールは
この世で誰一人 誰一人見たがことないってね
「GOOD LUCK MY FRIEND」
スタジオ音源制作の時点から、ライブでの繋ぎを想定したような爆音のイントロからはじまる、遠い空にいる友達を想う歌。と見せかけつつも、それでも今も走り続けている”俺”の歌。
そして、今作の収録曲で最もライブで化けた1曲に感じました。ここまで数十曲演奏されてきた直後に聴くこの曲の説得力たるや。イヤホンで聴くスタジオ音源もそれはそれで好きですけど、やっぱり、ライブはたまりませんねぇ~。
今の、令和の時代には必要とされていないかもしれませんけど、オレもやっぱり”古臭いバンド”が好きです。
俺の友達 バンド 教えてくれた
古くて 暑苦しくて 引き際を失ったやつらのアルバムを
「Party Monster Bop」
昨年の2022年10月20日に、東京の代々木公園野外音楽堂にて開催されたフリーライブ「I’M FREE 2022」で完全新曲として発表された楽曲。
ちなみに、このフリーライブはクラウドファンディングで資金を募る形で開催され、目標金額300万円に対して385%となる、総額1,150万円もの支援が集まり、このフリーライブの映像作品は、返礼品としてクラウドファンディング支援者にのみ届けられる形となりました。
そんなフリーライブで佐々木さんは、「みんな死ぬの確定っていう。これは平等ってことなんで。みんな将来不安かもしれませんけど、”大丈夫。死ぬだけ”なんで。(中略) こんな世界でさ、こんなところ集まって、みんな、とんだパーティ野郎ですよね?」
というMCの後に、初披露されたこの楽曲は、はじめて聴いた時は変わり種の変な曲に聞こえたものの、数回聴くうちに中毒的にクセになってくる危ない曲でした(笑)特にCメロ部分が最高で、「あるわけねぇだろ そんなもん」のくだりがもうたまりませんね。
アルバムに収録のスタジオ音源も素晴らしいのですが、個人的には↓のフリーライブでの初披露時の映像がありますので、こちらをオススメします。生演奏の都合上、間奏部分がエレキになっているのも良きですね。
リップ・クリーム塗ってる暇とかさ 傷つかない人生とかさ
打席に立たないホームランとかよ ある訳ねえだろそんなもん
「花火を見に行こう」
前作「伝説の夜を君と」のツアー中に制作されながら、ツアー各地でも少しずつアップデートされながら披露されていた楽曲。
今作収録曲の中では、最初に発表されていた楽曲なのに、今作「花降る空に不滅の歌を」を総括するような”歌”になっている気がします。
ちょうど、某国の侵攻が始まってすぐに披露され始めて、呆れることにそこから時間が経った今でもまだ終わっていない現在ですが、2番Aメロの歌詞が佐々木さんらしさが溢れていて、泣きそうになってしまうほど素敵です。
単体で聴いても良い曲なのですが、このアルバムの締めとして聴くと、また違った想いが伝わってくる名曲かと思います。
a flood of circle、ひいては佐々木さんの花火ももちろん見に行きたいのですが、オレ自身の花火も見に行けるよう、日々精進致します。
真夏の夜空に輝く花火 一面闇じゃん世界は 悟ったツラしても
この世で一人だけ騙せないやつが 瞼の中観てる 9回裏のサヨナラ
おわりに
以上、「花降る空に不滅の歌を」収録の10曲を全曲ご紹介してみました。
鳥、パートナー、イカサマ師、カメラ、ベイビー、友達、怪物などなど…、様々なものを通じて、徹底的に自分自身と向き合い、突き詰めた”超個人的”な作品。
そして、こんなに絶望して、開き直って、ヤケクソに自暴自棄みたいな言葉を歌いまくっても、とても前向きに聴こえてくることが本当にスゴいと思うのと同時に、そこが”a flood of circle”の魅力だと確信できる名盤だと思います。
こんなに個性的で、魅力的で、作品を作り続けてくれて、かつ名曲だらけで、ライブをし続けてくれる、素晴らしいバンドだから、もっと人気が出て売れて欲しいんですけど、そんな現状の中を止まらずに転がり続けてきたからこそ、この名盤が生まれたと思うと、それはそれで良かったと思ってしまいますよね…。いや、早くもっともっと売れるべき、バンドだと思います!!
ファン目線で見ても、ここまで自分を曝け出した後には、何も出せなくなっちゃうのでは?と少し心配になってしまう程の名盤だと思いますので、是非聴いてみてください。
てゆか、ほとんどの楽曲が公式YouTubeに載ってるほど、キラーチューンだらけなので、a flood of circle初心者にもオススメできる1枚だと思います。
長文にお付き合いくださり、ありがとうございました。
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