こんばんは、まんじろう(@manjirooblog)です。
今日は、Mr.Children11枚目のアルバム「シフクノオト」を全曲ご紹介しようと思います。
それでは、どうぞ!
Mr.Children「シフクノオト」全曲紹介
「言わせてみてぇもんだ」
小脳梗塞で倒れた桜井さんの復活ライブとなった、一夜限りの「wonederful world onDEC21」以降なかなか活動再開をしぶっていたドラマー”JEN”こと鈴木英哉氏に向けた1曲とのこと。仮タイトルは「身から出た錆」
ギターソロは長尺の2部構成で、珍しく両方とも田原様が弾かれておられます。2005年のドームツアー”I ♥ U”で初披露された際には、曲の前後にジャムセッション風のライブアレンジが加えられていました。ウルフルズや尾崎豊さん、そしてビートルズの名曲”Hey Jude”をオマージュした最後のオチは”Hey JEN~♫”。
今作「シフクノオト」のアルバムタイトルには”至福の音“”私服の音“など複数の意味が掛けられているらしく、オープニング1曲目から本音をさらけ出してる剥き出しの私服の音。
ファンタジスタって言われてぇよ 夜だけじゃなくて昼も
もう どうしようもなく「必要」って 言わせてやりてぇんだ
「PADDLE」
NTTドコモの携帯電話のCMソングにもなった、ファンの間でも人気が高い隠れた名曲。仮タイトルは歌い出しにも残っている「ほんの束の間」。
「甘い夢だ」と誰かがほざいてたって
虎視眈眈と準備をしてきた僕だから きっとうまくやれる 行こうぜ良い事があってこその笑顔じゃなくて
笑顔でいりゃ 良い事あると思えたら それが良い事の 序章です
明るくてキャッチーなサビももちろん素晴らしいですが、個人的には1番2番ともにBメロが素敵過ぎます。2番は歌詞を通り越して名言過ぎます。
ミスチルにしては珍しく、ネガティブな要素が皆無な純度100%のような至福の音。そりゃ人気が出るわけです。あまり演奏されないレア曲のため、もしライブで聴けたなら”それが良い事の序章です”。
「掌」
ミスチル初の両A面シングルとなった25thシングル曲。
そして恐らく、(TV出演を除き)ライブで1度も原曲通りに演奏されたことが無い唯一のシングル楽曲。ライブでは、2番以降に”歌の掛け合い”となる壮大なアレンジが施されています。(あれはあれで音源化しないのがもったいないくらいに”それで素晴らしい~♫”)
「認めることができるなら、ひとつにならなくていいよ」と歌う、シンプルながらも難しい”至福”を追い求めるメッセージソング。
君は君で 僕は僕 そんな当たり前のこと
何でこんなにも簡単に 僕ら 見失ってしまえるんだろう?ALL FOR ONE FOR ALL BUT I AM ONE
ALL FOR ONE FOR ALL BUT YOU ARE ONE
「くるみ」
「掌」と同じくミスチル初の両A面シングルとなった25thシングル曲。後に、再レコーディングされて映画「幸福な食卓」の主題歌にもなります。
“来る未来“を”くるみ“という人物に例え、語り掛けるように歌う説明不要の大名曲。ちなみに実在の元カノの名前でもあるそうです(ご本人談)
よく話題に上るのが感動的なMV(ミュージックビデオ)。「日常に追われている男達が、昔組んでいたバンドを再結成し音を鳴らす」という「くるみ」という楽曲にピッタリの素晴らしい映像作品なので、観たことが無い方は必見です。ラストに桜井さんご本人が登場し、シャレの効いたオチも秀逸です。
1曲通して全ての歌詞が大好きですが、この”ボタン”のくだりが素晴らしすぎます…(泣)
どこかで掛け違えてきて 気が付けば一つ余ったボタン
同じようにして誰かが 持て余したボタンホールに出会う事で意味が出来たならいい
個人的にライブ映像でのベストテイクは、2005年のドームツアー”I ♥ U”での演奏。ハーモニカと大サビ前のブレイク(空白)が切なすぎます。必見!!
「花言葉」
仮タイトルはひらがなの「はなことば」だそうです。もう仮ではなく正式タイトルでは…?(笑)
君がくれた 僕に足りなかったものを 集めて並べて 忘れぬよう願う
君の全て 僕に見せて欲しかったのに コスモスの花言葉は咲かなかった
コスモスの花言葉は「調和」「乙女の純真」だそうです。そんな花言葉が”咲かなかった”。
たった3分25秒で、別れた後の”切なさ””惨めさ”をさらけ出す歌。
ちなみに、左から小刻みに聞こえてくる歌メロをなぞるようなアコギは、ミスチル楽曲の中でも屈指の難易度を誇ります(笑)
「Pink~奇妙な夢」
ここまでの雰囲気から一変、おどろおどろしい田原様のギターリフから始まる怪しい夢の歌。
険悪なムードの夫婦?生活から抜け出したい男の深層心理が、奇妙な夢を見せているのでしょうか?聴き方によってはかなりアダルトでエロティックな楽曲かと思います。
“素”をさらけ出すという点では、今作「シフクノオト」に最もピッタリな楽曲。
恥じらいがあった昨日より さらけ出した今日の方がより
多少黄ばんで見えたりしてるけど 愛しさは増えるよ
何したって構わないから 君の好きなようにしとくれよ
明日も僕の夢を壊してよ
2012年の[(an imitation) blood orange] ツアーで生演奏を聴いた際、この曲の持つ迫力に圧倒されてしまいました。ドームという巨大な空間を飲み込むかのような壮大な音でした。突然の9年前の暗~いコアな楽曲に、会場はお葬式のように静まり返っていましたが…(笑)
「血の管」
こちらも同様に、ピアノとオーボエのみで演奏される雰囲気が暗~い楽曲。
国歌「君が代」をイメージして制作された楽曲で、イントロは桜井さんが小林さんに「葬式みたいなイントロで」と注文して作られたそうです。
(恐らく亡くなられた)故人と”至福”だったあの頃を思い出し、1人残された孤独を感じる歌。
演奏時間3分2秒と今作で最も短い1曲ですが、最も想いが強いように聴こえる1曲。
「空風の帰り道」
24thシングル「HERO」のカップリング曲。
からっ風が吹いたから 少し手をつないで歩こうよ
花や草木に習い僕ら かるく揺れながら
何気ない”至福のひととき”を噛み締める大切さを、花や草木から学べる素敵な感性の主人公の歌。
TVでどこかの誰かさんが熱弁されておりましたが、2番サビが終わり間奏に入る直前に言い放たれる桜井さんの「バイバイ♫」が世界一カッコいいとのことです。激しく同意致します。
「Any」
デビュー10周年と偶然重なった繋がりから”NTT DoCoMo 10周年キャンペーン”のCMソングとなった、23thシングル曲。
本シングル発売後のアルバム「Wonderful world」のツアーが2本とも中止となった影響もあるかと思いますが、個人的に大名曲のわりにライブでほとんど演奏されない、不思議なシングル曲ランキング堂々の1位です。最近では25周年ツアーでドーム公演のみ披露されましたが、もっと演奏してもいいのに…。
今 僕のいる場所が 探してたのと違っても
間違いじゃない きっと答えは一つじゃない
まさにサビ部分の歌詞通りの、説明するのも野暮なくらいに分かりやすく、メロディもとてもキャッチーな王道シングル曲だと思います。
2007年の”HOME TOUR”で披露された「フェイク」との対比が効きまくった繋げ方は鳥肌が止まりませんでした。(まだ観たこと無いミスチルファンの方は必見です。今すぐDVDを買いに行きましょう。アリーナとスタジアムの2種類発売されていますが、個人的には貴重な「to U(ミスチル.ver)」が収録されているアリーナ版の方がイチオシです!)
「天頂バス」
桜井さんが鳴らす軽快なアコギから始まる、1度発車したら”もう帰ってこない”天国行きのバスソング。仮タイトルは「1st song 118」だそうです。118テイク目ってことですか!?!?(笑)
タイトルの「天頂バス」には”店長”や”転調”など複数の意味が掛けられていて、イントロに「へいらっしゃい!」や「お勘定!」の台詞が入っていたり、文字通り転調しまくっており、”遊び心”もバスに乗り込んでいるようです。
だから「自分のせいと思わない」とか言ってないでやってみな
個人的には、この部分が歌詞もギターだけになるサウンドも1番好きなところです。
ちなみに、この曲が使用された今作「シフクノオト」のCM用映像では、桜井さんが床にぶちまけられたペンキに勢いよく飛び込むシーンがあり、そのシーンの撮影中に桜井さんは本当にろっ骨を骨折してしまったそうです…。この時期は桜井さん不健康過ぎますね…。お身体だけはお大事に。
「タガタメ」
日清食品「カップヌードル “NO BORDER”」CMソング。そして「筑紫哲也NEWS23」で取り上げられバンドで生演奏されたことも印象に残りやすい、今作中最も壮大でスケールの大きな楽曲。
楽曲製作当初は「パッパラパー」という仮タイトルで非常に軽いアレンジであったが、後に現在のアレンジに変更されて録音された。ちなみに、当初の「パッパラパー」風のアレンジは後に「タダダキアッテ」というタイトルで33rdシングル「HANABI」のカップリング曲として収録されています。
子供らを被害者に 加害者にもせずに この街で暮らすため まず何をすべきだろう?
でももしも被害者に 加害者になったとき 出来ることと言えば
涙を流し 瞼を腫らし 祈るほかにないのか?
私自身がまだ独身で子供もいないため、この曲の真意は想像するしかできませんが、それでもこの曲が持つ大きなメッセージは十分に感じ取ることができます。実際にこの歌詞のような出来事が不幸にも自身に振りかかってしまった時は、何もできないんだろうなぁと思います。
タダタダダキアッテ (ただただ抱き合って)
カタタタキダキアッテ (肩叩き抱き合って)
テヲトッテダキアッテ (手を取って抱き合って)
タダタダタダ (ただただただ) タダタダタダ (ただただただ)
タダタダキアッテイコウ (ただた抱き合っていこう)タタカッテ タタカッテ (戦って 戦って)
タガタメ タタカッテ (誰がため 戦って)
タタカッテ ダレ カッタ (戦って 誰 勝った?)
タガタメダ タガタメダ (誰がためだ? 誰がためだ?)
タガタメ タタカッタ (誰がため戦った?)
もうここでアルバムが終わりを迎えても問題無いほどの、メッセージと熱量に満ち溢れていますが、最後の最後に「タガタメ」の答えにもなる1曲が…
「HERO」
病気に倒れた桜井さんの復帰作ともなった、25thシングル曲。
冒頭の”自ら犠牲になれなくなってしまった理由”、”たとえ映画だとしても捨てられていく命”、”人生はフルコース”、”サビの後ろで流れているストリングスのメロディが美しすぎる”、など書き切れないほど多くの”魅力”しか見当たりませんが、この「HERO」で私が伝えたいことはただ2つ。
ずっとヒーローでありたい ただ一人 君にとっての
ちっとも謎めいてないし 今更もう秘密はない
でもヒーローになりたい ただ一人 君にとっての
つまずいたり 転んだりするようなら そっと手を差し伸べるよ
このサビ部分の歌詞、これこそが”親の本心そのもの“なのではないでしょうか?
残酷に過ぎる時間の中で きっと十分に僕も大人になったんだ
悲しくはない 切なさもない ただこうして繰り返されてきたことが
そうこうして繰り返していくことが 嬉しい 愛しい
そして、その”想い”が親から自分へ。自分から子へ。そしてまたその子へと繰り返していけることこそが”至福”なのではないでしょうか?
楽曲単体でもミスチル屈指の大名曲、そして収録アルバムのコンセプト、曲順も踏まえて完璧なラストを飾ってくれる1曲となりました。ミスチルファンのみならず、全”親”必聴の名曲です。
この「シフクノオト」全曲紹介、ここまで辿り着けて(=至福!!)、予想以上のメッセージ性に書きながら少し泣いてます…(泣)
おわりに
以上、「シフクノオト」収録の12曲を全曲ご紹介してみました。
飾らずに”ありのまま”をさらけ出したり、”幸せとは何か?”という答えに辿り着いた文字通り「シフクノオト」である大名盤だと思いますので是非チェックしてみてくださいね!
長文にお付き合いくださり、ありがとうございました。
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