こんばんは、まんじろう(@manjirooblog)です。
今日は、Mr.Children17枚目のアルバム「[(an imitation) blood orange]」を全曲ご紹介しようと思います。
それでは、どうぞ!
Mr.Children「[(an imitation) blood orange]」全曲紹介
「hypnosis」
ドラマ「トッカン -特別国税徴収官-」の主題歌となった配信限定シングル曲。仮タイトルは「三銃士」だそうです。
タイトルの”hypnosis”とは”催眠”の意味で、「このまま夢を見ていられるなら現実に戻れなくてもいい」と歌う、ミスチルらしい”開き直りソング”。サウンド面は、田原様のレスポールの重厚な響きや、贅沢に従えたオーケストラによって壮大な雰囲気に仕上がっています。
今作リリースによる多くのTV出演時に演奏されたアルバムを代表する楽曲で、切実に熱く歌う桜井さんにピッタリなメロディの美しい名曲だと思います。Bメロと転調後の大サビがとてもしんどそうです…(笑)
「今日も見果てぬ夢が僕をまた弄んで 深い深海に沈んだ希望をチラつかす
叶うならこのまま 夢のまんま もう現実に引き返せなくたっていい」
「Marshmallow day」
前曲とは雰囲気が打って変わって、とてもポップで軽快な資生堂「MAQuillAGE」CMソング。
こちらも、リリース時のTV出演で多数披露されていたアルバムを代表する楽曲。
CMでチラッと聞く分には、カラフルで明るいキャッチーな曲に聞こえるかもしれませんが、よくよく歌詞を見て聴いてみると結構アダルトでムフフな曲だと思います(笑)
「君の感触を噛み締めよう everything is a taste of you」って(笑)
こんな下心で出来ているような歌でも、こんなに爽やかに歌えるのは桜井さんならではかと!
「End of the day」
ミスチル初のトリプルA面(3曲入っていてその3曲ともがシングル扱い)となった34thシングル曲。
これぞミスチルの真骨頂と言うべき、”日常を生き抜く人達への応援歌”。A面3曲の中で1番好きです。泣けてきます。
Oh No! Oh Yes! 本当はもう掴んでて 届いてて 気付いてないだけ
もっと もっと 羽ばたける日は来る きっと来る あと少しそう信じて
みんなが避けるような言葉を使うことも厭わずに、”今実際に目の前で起きていること”をいつも的確に表現してくれる”Mr.Children”が歌うからこそ、希望の歌が心に響くのだと確信しています。
「常套句」
ドラマ「遅咲きのヒマワリ〜ボクの人生、リニューアル〜」の主題歌となった、とてもシンプルなド直球のラブソング。こんなに純粋な歌に”常套句”と名付けるところがミスチルらしいですね。
実はこの曲、記念すべきデビュー20周年記念公演にあたる2012年5月10日の”POPSAURUS 2012@京セラドーム大阪”公演で少しだけ先に披露されたことがありました。桜井さん曰く「まだ著作権の登録とかしてないんだからパクんないでくださいよ~」と言っていました(笑)
ちなみに、記念すべき20周年のあの素晴らしいライブに行けたことが少し自慢です。DVD化もされているので是非チェックしてみてくださいね!
「pieces」
映画「僕等がいた 後篇」の主題歌で、トリプルA面となった34thシングルの1曲。
思い通りに行かないことが多い人生に開いた”余白”を埋める欠片となる応援歌。
シングルのわりに地味で控えめではありますが、とても優しい温かい名曲だと思います。
「失くしたピースは見つからないけど それでもパズルを続けよう
全部埋まらないのは わかってる それでいい
その空白はね これから僕等が夢を描くための余白
いつか描いたやつより 本物にしよう」
「イミテーションの木」
今作のアルバムタイトルの元にもなった楽曲。
例え”作り物”でも、例え”偽物”でも、それで誰かを癒せるなら…と歌うミスチルらしい”本質”の歌。
どんな状況でもできる限りポジティブであろうとする、逆転の発想的1曲だと思います。
「情熱も夢も持たない張りぼての命だとしても こんなふうに誰かをそっと癒せるなら」
「かぞえうた」
配信限定シングルにもなった、今作を象徴する最も重要な楽曲。
2011年3月11日に起きた”東日本大震災”の復興支援のために製作された楽曲で、配信での収益金は”ap bank Fund for Japan”へ寄付されました。
この震災を受けて、開催中であった”SENSE”ツアーも多数延期や中止となり、私も参戦予定だった3月12日の大阪城ホール公演も延期となり、京セラドーム公演に振替となりました。
この曲を聴くと、未だにTVでの震災映像や空気感を思い出してしまい、少し胸が苦しくなってしまいます。ミスチルの数多くの楽曲の中でも特異な1曲だと思います。
この曲については、桜井さんから公式でコメントが発表されており、以下コメント原文になります。
「3月14日、メンバーが集まってのミーティング。収益を義援金にあてる、そのための曲を作るのはどうだろう?というアイデアがあがった。
でも曲を作って人を感動させるという行為も、この災害を前に不純に思えてしかたなくて、
どうしたらいいのか何日か悩んでいたのですが、ふと「かぞえうた」というフレーズが浮かんできて、それにできるだけ作為的でないメロディーをと考え、この歌に辿り着きました。
タイトルは「かぞえうた」です。1本でもにんじん、2足でもサンダル… これがご存知のかぞえうた。そして、この歌の歌詞は、何もかも失い、悲しみ苦しみに取り囲まれている状態でも、それでもやっぱり希望を探して数えていけたら… また人間にはそういう力があると信じたい。そんな希望の歌です。」
「インマイタウン」
今作で唯一アルバムツアーで演奏されなかった楽曲。
素直に聞くと、”少し気怠い雰囲気の年末の歌”に聞こえますが、震災を強く意識した今作に収録した意味を考えて聴いてみると、”震災によって他の街に流された人の歌“に聴こえてきます。
Do you know my mind? Do you know my mind? 流されて my town
だからアルバムツアー本編では演奏されず、来年への希望を込めて退場SEとしてのみ流されたのではないかなと思いました。
「過去と未来と交信する男」
今作リリース後に開催された[(an imitation) blood orange] Tourでまさかの1曲目を飾ったダークホース的な楽曲。
エレクトリックな音がふんだんに使われた、タイトル通りに”過去と未来が見える主人公”がこの曲を聴く人を占うように語りかける、回りくどくもとても優しさに満ち溢れた歌。
だから心配はいらない 慌てずに行きなさい
あなたが今歩くこの道をとても愛してくれる誰かがあなたを待っている
それが今の私に言えるすべて
蛇足ですが、「目を瞑って深く息を吸う」のところで本当に空気を吸うとこ好きです(笑)
「Happy Song」
フジテレビ「めざましテレビ」2012年度テーマソングとなった楽曲。
(突然訪れる不幸に)落ち込んだ時こそ、「あからさまでも幸せな歌を歌おうよ」と歌う歌。
震災直後という状況もあり、ネガティブな要素をできるだけ排除して、できるだけポジティブな要素を詰め込んだ今作「(an imitation) blood orange」を体現するような1曲。
「寂しい昨日と手を繋いで Happy Songを歌おうよ」
「祈り ~ 涙の軌道」
映画「僕等がいた 前篇」の主題歌、トリプルA面となった34thシングル曲。
数多くのシングル楽曲の中でも最も透明度の高い、「純粋でありたい」と祈る”願いの歌”。
「 “純粋” や “素直”って言葉に悪意を感じてしまうのは
きっと僕に もう邪気があるんだね」
まさに今作に収録されるに相応しいシングル曲だと思います。
途中にも書きましたが、時に残酷なまでに冷たい”現実”に真正面から受け止める”Mr.Children”が歌うからこそ、一般的に”綺麗事”で済まされてしまいそうな言葉でも、心に響くのだと思います。
忘れないで 君に宿った光 いつまでも消えぬように 見守りたい
おわりに
以上、「[(an imitation) blood orange]」収録の11曲を全曲ご紹介してみました。
決して派手ではなく、比較的落ち着いた地味な楽曲が多いため、批判的な意見が集まりやすい作品だとは思いますが、誰のせいにもできない”震災”という不幸と真剣に向き合った、”ミスチル流の優しさに溢れた名盤”だと思います。是非、聴いてみてください。
長文にお付き合いくださり、ありがとうございました。
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