こんばんは、まんじろう(@manjirooblog)です。
今日は、Mr.Children10枚目のアルバム「IT’S A WONDERFUL WORLD」を全曲ご紹介しようと思います。
それでは、どうぞ!
Mr.Children「IT’S A WONDERFUL WORLD」全曲紹介
「overture」
今作のオープニングを飾る、アルバム「BOLERO」以来のインストゥルメンタル楽曲。プロデューサーである小林武史さん単独での作曲とのことです。テーマは「ノイズからの再生」。
ライブでも次曲の「蘇生」を披露する際は、必ず一緒にセットリストに組み込まれています。はじめの小さな単音から、徐々にオーケストラの演奏により壮大になっていき、時計の秒針が聞こえてくると…
「蘇生」
田原様のテレキャスによる透明感溢れるカッティングからはじまる、ミスチルの数多くの全アルバム曲達の中でも屈指の大名曲。なぜシングルでは無いのか不思議なくらいの名曲です。
タイアップについても、アサヒ飲料「WONDA」CMソング、映画「ライフ -いのちをつなぐ物語-」主題歌、花王アタック30周年キャンペーンCMソングと、長年に渡り異例の3件もついています。
ライブではアンコールで披露されることが多い楽曲ですが、2011年のSENSEツアーにて震災直後の4月以降の6公演のみ、1曲目「NOT FOUND」から「蘇生」に曲目が変更されるという出来事がありました。
今作発表以降、節目の大切なライブでは欠かさず演奏されてきた重要な1曲だと思います。個人的に、“夢を見ること”に対するミスチルらしい答えを提示してくれるCメロの歌詞が大好きです。
叶いもしない夢を見るのは もう止めにすることにしたんだから
今度はこのさえない現実を 夢みたいに塗り替えればいいさ
そう思ってんだ 変えていくんだ きっと出来るんだ
「Dear wonderful world」
今作ラストに収録されている「It’s a wonderful world」と対を成す楽曲。
今作のアルバムタイトルの候補でもあった「この醜くも美しい世界」という歌詞が歌われている今作の世界観を代表する楽曲。
アウトロに「カプチーノのお客様、お待たせいたしました。」と店員さんの声が入っており、これはメンバーが自分達で録音しに行った音源だそうです。
Oh Baby 通り雨が上がるまで
カプチーノでも頼んで待とうか? この醜くも美しい世界で
「one two three」
アントニオ猪木さんの名言をモチーフにした、“君”との決別を高らかに宣言する明るい別れの歌。
アウトロ部分に、アントニオ猪木さんの引退宣言(実際の音声)が収録されている一風変わった楽曲。ライブでは滅多に演奏されることがなく、2015年のライブハウス対バンツアーで初披露されたとのことです。(キャパが小さすぎて、競争率が凄まじくチケット確保できず…泣)
大人になりきれなくて逆恨みしたけれど うんと うんと 感謝しているんだ
愛しき人よ 君に幸あるように もう 後ろなんか見ないぜ 1. 2. 3 !
「渇いたKiss」
大人の色気溢れる、セクシーな男女の別れの歌。この曲は特に桜井さんの歌い方が色っぽいですよね…。男でも感じてしまう程の、女性ファン歓喜の色気かと思います。
歌の内容も、なかなかにセクシーかと。君の最後の答えを渇いたキスで塞げればいいのにって。
終始、上から目線の主人公ですが、自分の俯瞰的な性格を呪いながら、この”別れ”を飲み込める日がくることを願っているところがまた切ないですね…。
ある日君が眠りに就く時 誰かの腕に抱かれてる時
生乾きだった胸の瘡蓋がはがれ 桃色のケロイドに変わればいい
時々疼きながら 平気な顔をしながら
「youthful days」
ドラマ「アンティーク 〜西洋骨董洋菓子店〜」主題歌、キリンビバレッジ「大人のキリンレモン」のCMソングともなった、疾走感と水々しさ溢れる21thシングル曲。
ライブでも一時期は頻繁に演奏されていた定番曲。ライブでの演奏時には原曲には無い前奏部分が追加され、イントロが2段階となるアレンジが施されていました。(下記公式ライブ動画参照)
あと、この曲はイントロのリフや、Bメロでのディストーションサウンド、サビでの軽快なアルペジオなど、田原様のバリエーション豊かなギターフレーズにも是非耳を傾けて頂きたいです!
胸の鐘の音を鳴らしてよ 壊れるほどの抱擁とキスで
あらわに心をさらしてよ ずっと二人でいられたらいい いつも二人でいられたらいい
「ファスナー」
誰もが知っている”ウルトラマン”や”仮面ライダー”をモチーフにした”人間の裏側”を歌う名曲。
桜井さんの親友でもあるシンガーソングライターのスガシカオさんの作風を意識して制作された楽曲で、実際にミスチルのドキュメンタリー映画「Split The Difference」やスガさん主催のフェスなどでも共演を果たしています。
後の「フェイク」にも通じる、”自分には見えない(見せてくれない)裏側”すらも愛するという懐の大きなラブソング。とてもミスチルらしい歌だと思います。
きっと ウルトラマンのそれのように
君の背中にはファスナーが付いていて
僕にそれを剥がし取る術はなくても
記憶の中焼き付けて そっと胸のファスナーに閉じ込めるんだ
惜しみない敬意と愛を込めてファスナーを・・・
「Bird Cage」
今作収録曲で最も演奏時間が長い、感情を全てさらけ出し、発狂しながら叫ぶような別れの歌。
あなたの口づけで僕が変われたならいいのに
お互いの両手は自分のことで塞がってる
笑いながら はしゃぎながら 誤魔化してきた 叫び声が
胸の 奥に 響く 重く 重く 重く
どちらも別れの歌であること、カラフルでなめらかなサウンドと重く暗い不器用なサウンド、囁くような色気のある歌い方とひたすら叫ぶような歌い方で「渇いたKiss」と対になっているような聴き方もできるかなと思います。個人的にですが。
最後の「遠くへ~~」でアウトロに戻るJENのドラムで毎回、鳥肌が立ってしまいます。悲しさが伝わってくるようなドラムに聴こえてしまいます。是非とも、1度くらいはライブで生で聴いてみたいものです。(切望)
「Loveはじめました」
個人的に、ミスチル楽曲の中で1番タイトル詐欺な1曲かと。「優しいラブソングなんだろうなぁ~」と思い込んで初めて聴いた時の衝撃と言ったら…(笑)
「まずはお前らが死刑になりゃいいんだ」となかなか言いたい放題なわりに、ライブでも頻繁に演奏される定番曲で、数多くのツアーで演奏されてきました。ライブでの桜井さんの自由な(キレ気味の)歌い回しは必聴です!
意味なんかないさ 深くもないし 韻だって踏んでない
ただ偽りなく飾りもない まぎれもない想いだけがそこにはあるんだ
「UFO」
桜井さんは「冷めかけたスパゲティー」と歌いたかっただけと語る、プロデューサーの小林さん先導で制作された楽曲だそうです。
“別れ”を切り出すことが出来ない主人公が、現実逃避のためだけに”UFO“の飛来を願う歌。
互いの胸のうちに気付いてる以上 僕らは共犯者だ 念を押して確かめなくても
僕を信じきっているあの人を 嫌いになれもしないから よけい 分かんなくなるんだよ
“あの人”呼ばわりするほど”冷めている”にも関わらず、”自分を想ってくれる貴重な人だから嫌いにもなりきれない”という、誰も歌わないほど生々しいリアルな歌詞。こんな人間の醜い部分も隠さず表現をしてくれるところがミスチルの素晴らしい部分だと思います。
「Drawing」
発売から2年後に時間差で、ドラマ「幸福の王子」の主題歌となった、21thシングル「youthful days」のカップリング曲。
桜井さんが川の付近を散歩中、「この美しい風景を絵に描いて残せたら良いのになぁ」と思ったことが、この楽曲製作のきっかけとなったそうです。
絵に描いたとしても 時と共に何かが色褪せてしまうでしょう
永遠はいつでも 形のない儚い幻影 君と共に 僕の元に
“もしも絵が描けたらなぁ”という何気ない想いを、”永遠”の歌に昇華させてしまえる桜井さんのソングライティング能力の高さが伺える、カップリングにはもったいない名曲だと思います。
「君が好き」
前作シングルと同じく、ドラマ「アンティーク 〜西洋骨董洋菓子店〜」挿入歌となった、22ndシングル曲。
君が好き この響きに 潜んでいる温い惰性の匂いがしても
繰り返し 繰り返し 煮え切らないメロディに添って 思いを焦がして
使い古された言葉を使うことのデメリットさえも承知の上で、全体的にこれ以上ないほどにシンプルな歌詞に仕上がっていると思います。
醜い部分も含めた上で、大切な想いを”君”に伝える歌。まさに今作「IT’S A WONDERFUL WORLD」を体現するような楽曲かと思います。
「いつでも微笑みを」
発売から約5年後に「損保ジャパン」CMソングとなった、子供の笑い声も収録されていて明るく楽し気な雰囲気ながら”死“をテーマとして扱う楽曲。
ちなみに曲名の読み方について、「いつでもほほえみを」と読むのか「いつでもえみを」と読むのかでそれぞれに根拠があり、論争が繰り広げられているそうですが、桜井さんご本人は「いつでもほほえみを」と発言されたことがあるそうです。
いつでも微笑みを そんな歌が昔あったような
今こそ その歌を 僕達は歌うべきじゃないかなぁ
格差社会と呼ばれ、昨今様々な現象が巻き起こるこの世界で数少ない、誰にでも平等に与えられる存在=”死”。悲しいけどこればっかりは残念ながら確定事項なわけです。ではどうすれば受け入れることができるのでしょうか?この歌はその答えを教えてくれる歌なのかもしれません。
もし僕がこの世から巣立って逝っても
君の中で僕は生き続けるだろう そう思えば何とか やっていけそうだよ
「優しい歌」
アサヒ飲料「WONDA」のCMソングとなった、ミスチル史上最も演奏時間が短い20thシングル曲。ベストアルバム(通称)「肉」と「骨」を引っさげて行われた“CONCERT TOUR POPSAURUS 2001″では当時の未発表曲としてラストに演奏されていました。
群衆の中に立って 空を見れば 大切な物に気付いて 狂おしくなる
この部分はまさに、今作の核心部分を歌っているようにも聴こえると思います。
10周年の節目となる楽曲らしく歌詞については、ファン(同時に自身)へのエールや過去の自分達への戒め、これからの”Mr.Children”として鳴らす音楽への決意の歌となっています。
優しい歌 忘れていた 誰かの為に
小さな火をくべるよな 愛する喜びに 満ちあふれた歌
「It’s a wonderful world」
アルバム序盤に収録されていた「Dear wonderful world」の続きとなる楽曲。
無駄なものなど きっと何一つとしてないさ
突然 訪れる鈍い悲しみであっても
今作「IT’S A WONDERFUL WORLD」は、比較的”悲しい歌”や”別れの歌”が多数収録されており、そんなアルバムの最後にこのフレーズをもってきてくれることで少しは救われるような気がします。
忘れないで君のことを僕は必要としていて
同じようにそれ以上に想ってる人もいる
あなどらないで僕らにはまだやれることがある
手遅れじゃない まだ間に合うさ
この世界は今日も美しい そうだ美しい
どれだけ辛いことがあっても、どれだけ悲しい出来事があっても、生きてさえいればまだ間に合う。なぜなら、ここは「醜くも美しい世界」だから。
アルバム最後の最後に、こんな歌詞を歌われたらもう反則ですよね…(泣)
おわりに
以上、「IT’S A WONDERFUL WORLD」収録の15曲を全曲ご紹介してみました。
“愛する人との別れ”、”人間の闇”、そして”死”。醜い部分ばかりが見える世界だが、それでも世界は”素晴らしい”と歌う、とてもミスチルらしい名盤だと思いますので是非聴いてみてください。
長文にお付き合いくださり、ありがとうございました。
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