こんばんは、まんじろう(@manjirooblog)です。
今日は、ドレスコーズ3枚目のアルバム「1」を全曲ご紹介しようと思います。
それでは、どうぞ!
ドレスコーズ「1」全曲紹介
「復活の日」
アコギ1本で弾き語られる、”復活”への物静かな決意表明。
4人組バンドで、自分以外の3人が同時に脱退するという前代未聞の悲惨な状況には変わりないが、アコースティックギターと心地良い韻と繰り返すメロディのおかげで、いくらかは悲しみが緩和されているような雰囲気の楽曲。
その寂しさや苦しみはご本人にしか分からないかとは思いますが、
ぼくのリボーン 偉大なる復活の日
あした以降 ひとりぼっちのドゥイット・トゥ・ミー
今作「1」は、この歌詞が体現されていく様子を目撃するかのような作品となっております。
「スーパー、スーパーサッド」
翌日の”冷めたモーニング”から始まる、今作「1」のリード楽曲。
“イエ~!イエ~!イエ~!イエイエイエ~!”と歌う、”悲しみ”を大きく通り過ぎてしまった歌。
“自身の作品”を燃やしている中で歌うという、かなり攻めたMVが制作されています。
志磨さんの背景を抜きにしても、純粋に歌詞とメロディが素敵な名曲だと思います。
歌にはふたつあって それはぼくも知らない歌と
ただただきみとの日々を 思い出すためだけの歌
「Lily」
他人の口を使って本音をさらけ出す、”誰よりもバカで嘘つきな男”の歌。
リリー、君だけは信じてくれないか 夢みたいなことばっか歌っても
リリー、本気だってわかってくれないか 夢じゃなくなる その日まで
こんなに素敵なメロディで歌われて、ここまでお願いまでされてしまったら、僕ら”リリー”は”ずっと友達”でいるしかないですよね?
「この悪魔め」
穏やかな雰囲気から一転、イントロからバンドサウンド全開のアップテンポなロックンロール。
「そんな歌詞あり?笑」みたいな、志磨さん節全開の言葉遣いが散りばめられ過ぎて歌詞カード見るまでは何を歌っているのか全くわかりませんでした(笑) …この、悪魔め!!
「ルソー論」
ここからは志磨さんの内面に迫っていく様な、少し暗めの雰囲気の楽曲が続きます。
歌詞はもちろんですが、もう曲のタイトルからして、志磨さんらしさ全開の1曲。
理想論じゃなく ルソー論だよ
もう懲りたもん、二度と現実は見ない
ぼくのルーツ・アンド・リテラシー
–理論、理論武装! あえて 柔と剛を織り交ぜる
個人的にですが、この2節が最も“志磨遼平”という人間の本質を表しているように思いました。
“楽観的で軽率で自由”なんだけど、”細かくて一貫していて説得力のある”感じ。本当に憧れます。
「アニメみたいな」
今作唯一のコラボ曲であり、ペトロールズのギタリスト“長岡亮介”さん(東京事変の浮雲さん!)がギターで参加されている、少し重たい雰囲気の楽曲。
アニメーション制作会社”NAZ”や、漫画家”中村明日美子”さんとコラボしたアニメーション映像作品のMVも併せて制作されています。
「アニメのようにわかりやすくなれたら…」複雑な現実の中を生きる現代人の”願い”の歌。
「みずいろ」
こういう曲は”ムード歌謡”と呼ぶのでしょうか? 緩~い雰囲気が漂う怪しげな楽曲。
志磨さんのルーツにも”歌謡曲”はしっかりとあるそうですが、バンドではなかなかカッコよく再現することが難しかったので、これまでは故意に封印していたとのこと。
上記の理由で、バンド時代には制作されてこなかったジャンルの音楽が制作できるようになったことも”1人”になったからこそとのことです。
「才能なんかいらない」
少し暗めの曲が続いていましたが、ここからは晴れやかな楽曲が続いていきます。
「1」制作のために猛スピード楽曲を制作している、まさに当時の志磨さんを描いた楽曲。
“3分だけ この雨がしのげるなら”「才能なんかいらない」
1人での音楽制作は自由にできるのでしょうけど、その代償に孤独の”雨”もたくさん降ってたんだろうなぁと思います…。
「もうがまんはやだ」
前曲が”1人”での音楽制作の裏側を歌った曲なら、この曲は表側を歌っているように聴こえます。
“1人”となった今、もはや”がまん”をする必要がないわけです。開放感が凄い。
次の歌詞で、志磨さんのロックンロールへの”愛”と”自信”が垣間見えたような気がしました。
さんざめく ぼくたちのロックンロールアワー
何世紀たったの? たったそれだけ?
「妄想でバンドをやる (Band in my own head)」
こちらも「1」制作時の志磨さんシリーズの1曲だと思います。もうタイトルがそのまんま。
“昔”の自分が、”今”の自分を見たら…?という視点で描かれています。
この曲の制作秘話を志磨さんがライブDVDの副音声で語られていて、「妄想だからきっと幽霊っぽいだろうなぁと思って、バンドの足元でもあるリズム隊(ベースとドラム)をめちゃくちゃ小さくしています」とのことです。
ですので、ライブでの演奏では”足のついた”完全版として聴くことができます。
「あん・はっぴいえんど」
4曲程続いてきた、「1」制作時の志磨さんシリーズの最終章。
別れた恋にひたるは 命も落としかねない!
バンドメンバーが全員脱退という”前代未聞”の状況で、”自身の行く末”をここまで華やかに、音楽として昇華されていることがカッコ良すぎませんか?
もうこの曲は怖いもの無しの領域に入っていて、シングル級の大名曲だと思います。凄すぎます。
あん・あん・あん はっぴい えん・えん・えんど、カモン 覚悟はいいわ
あん・あん・あん はっぴい えん・えん・えんど、イエイ ぼくらしいや
「Reprise」
“Reprise”とは、
- “繰り返し、再開”
- “(音楽的な意味での)反復、再現” という意味があるそうです。
前者の意味は「1人になっても結局は音楽を制作し続けるという繰り返し、悲劇からの復活による音楽活動の再開」というアルバム「1」のこれまでの楽曲達の流れを意味しているように思えます。
そして、後者の”音楽的な反復”は次に収録されている最後の曲を意味しているように聴こえてなりません…
「愛に気をつけてね」
今作「1」のラストを飾る楽曲であり、ドレスコーズ史上最も重要な楽曲。
フェス等のイベント出演やワンマンライブを問わず、ライブの最後に演奏されることが多いです。
この曲は説明不要なくらいにわかりやすい、けど志磨さんらしさは全開の、とてもキャッチーなダンスナンバーになっているかと思います。
Baby Baby あんたなんか Baby Baby あんたなんか
Baby Baby あんたなんか Baby Baby あんたなんか きらい!
ライブ終盤、お客さんが歌うことによって“あんた”⇒”志磨さん”を指すことになるのが面白いですよね(笑) R.I.Pツアーにて「誰が~?誰が~?誰が~?オレか!!」の下りが最高過ぎました!
そんなに深い意味は無いような曲かもしれませんが、私には「“愛”を大きく通り過ぎて”きらい”と歌ってしまう、裏返しのラブソング」にしか聴こえません。スーパーサッドとの対比にもなりますしね。
皆様におかれましては、くれぐれも愛にはお気をつけて。
おわりに ~アルバムタイトル「1」に込められた理由~
以上、「1」全13曲を全曲ご紹介してみました。
志磨さんご本人もインタビューにて”元メンバーの3人が音楽的に嫌いそうなことをあえて取り入れた。だから間接的には他の3人も関係している“とも言う、前代未聞の出来事があったからこそ出来上がった作品となっております。
またそれと同時に「自分1人でもこれぐらいの音楽ならいつでも作れるぞ?」との宣戦布告の意味合いも含まれているとのことです。
そんな背景を抜きにしても、どの楽曲も非常にポップで、ドレスコーズ初心者の方にも聴きやすい作品ですので、是非チェックしてみてくださいね!
コメント