お久しぶりです、まんじろう(@manjirooblog)です。
今日は、a flood of circle 13枚目のアルバム「WILD BUNNY BLUES」を全曲ご紹介しようと思います。
大名盤である前作「花降る空に不滅の歌を」と、10年ぶり2度目の日比谷野音でのワンマン公演を経た後の作品であること、“ルーティンに乱調を取り戻すために”半分以上の楽曲を山奥のコテージ(福島県にある”響きの森”)でレコーディングされた作品であることを踏まえつつ聴くと、さらに興味深く聴けるかなと思います。(2泊3日で5曲を山で録音し、最後の3曲は東京に戻って録音したそうで、既存が2曲。あれ?数が合わない?笑)
今現在、昨年末からほぼ半年近く回ってる、本作のアルバムツアーにも少し触れながらご紹介しますので、ネタバレが嫌な方はお気をつけ下さいませ。
それでは、どうぞ!
「WILD BUNNY BLUES」全曲紹介
「WILD BUNNY BLUES / 野うさぎのブルース」
イントロ無しで、いきなり歌とバンドのキメから始まる本アルバムのタイトル楽曲。
この曲か次曲の「虫けらの詩」を野音で初披露しようとしていたらしいのですが、野音ライブのラストのラストに「新曲!”J-Rock”!」って面白くないですか?、とかいう理由だけで危うくタイトルが「J-Rock」になりかけた楽曲(笑)。山でバンド演奏を録って、アルバム制作の最後の最後に、東京で歌だけ取り直して完成したとのこと。
ド頭の”ブルシット”がわからなかったのでググってみると、英語のスラングで“デタラメな、嘘の”という意味だそうです。こんなデタラメな世界だけど、“ルーティンに乱調を取り戻すために”、諦めずにくたばるまで走り続ける決意表明の歌。
歌詞に、”スピッツ”の”草野マサムネさん”や、”カート•コバーン”が出てくる所もそうですが、ロックショーのくだりと、“誰一人こぼれないはずの優しい歌”からもこぼれてしまった人のことを気にかけてくれる所が、本当に”佐々木さんらしさ“だと思います。あと”野うさぎ”に例えちゃうカワイイところも。
<余談>
数年前から突然、佐々木さんの髪型/髪色がド派手に変わり続け、今は茶髪のロン毛でまさにカートさんみたいになっておりますが、個人的には昔からの黒髪/短髪がとてもお似合いでしたので、どこかでまた戻して欲しい気持ちが無いと言えば嘘になってしまいます(笑)
「虫けらの詩」
少し前までのバンドの目標でもあった、”日比谷野音での15周年を記念するワンマンライブ”、3時間強の全32曲演奏された最後に初披露された1曲。(厳密には最後の1曲前ですが)
佐々木さんのギターパートが“最初から最後までずっと同じコードしか弾かない”という実験的要素を取り入れつつも、長年一緒だったディレクターとのお別れを乗り越え、それでも”叫び続けるしかない”ことを再確認する歌。これこそが”a flood of circle”だ、”佐々木亮介”だ的な大名曲だと思います。
1番Bメロの”ごめんね”のくだりが切な過ぎて毎回聴く度に泣きそうになってしまうのですが、きたる来年の武道館で「こんな日がどうせ来るとわかってた」と歌われた日にゃもう、嬉し泣きで号泣してしまいそうです。個人的に本当に大好きな歌です。
「ゴールド・ディガーズ」
前作のアルバム発売以降、最初に発表された通算11枚目のシングル楽曲。初回盤は前ツアーファイナルのZepp Shinjuku公演のライブ映像付きでしたので、是非ともGETしてご覧ください。
前作で己の全てを絞り出し切ってしまった佐々木さんは、少し上の憧れの世代でもある(と同時に舐められたくない相手でもある)ロックバンド”ストレイテナー”のホリエさんにプロデュースをお願いしたそうです。
冒頭の某ゲーム風の音や、ラストのデデーンはもうバンドとして1回”終わってるな”という意味で付けられているらしく、「終わってるけど、死んではいない。やめてないってことは掘ってるってこと。」野ウサギ、虫ケラの次はモグラかのように今度はひたすらに地面を掘り続ける歌。”墓穴”と”ボケ”が掛かってるのが面白いですよね。“金は欲しいんじゃなくて必要”もなかなかシンプルで盲点なフレーズな気がします。
シングル発売時点では、3年後。
アルバムに収録された際に、ご丁寧に再録してくれて2年後。
ツアー真っ最中の今では、1年後。
私の人生初武道館は”a flood of circle”に取っておりますので、本当に心待ちにしております。赤でも恥でも飛んで行きますので。
あとは時系列で言うと、リリースした時は全然関係無かったのに、その後で”死ぬまでやった人”が増えてしまい、より重たく感じてしまいますね…。ちなみに、私が観に行った神戸での”太陽と虎”公演では、「死ぬまでやった”松ちゃん”をオレは知ってる」と歌われておりました。
是が非でも、武道館公演で聴きたい1曲です。
「ひとさらい」
新任のディレクターさんからのご提案により、SNSのショート動画を意識して作曲した、50秒しかない超短い一曲。
神戸での”太陽と虎”公演では、他の曲終わりから繋げて演奏されてましたが、佐々木さんが歌に入り損ねてしまい、一言も歌わずにギターソロを弾いていたレア.verでお届けされておりました(笑)
「Eine Kleine Nachtmusik」
楽曲のタイトルは「アイネ クライネ ナハトムジーク」と読み、ドイツ語からのほぼ直訳で「小さな夜の曲」という意味になるそうです。
(本当に)山奥の夜の屋外でメトロノームと一緒に録音された冒頭から始まり、50’sみたいなコード進行で、ご本人曰く「いつまでも小さいことやってんな」ってところから、このタイトルになったそうです。そんなこと言わないで~。
今作の制作時に、一緒に山奥で作業されていた”高野勲さん”が鍵盤奏者なので、せっかくならピアノを弾いてもらおうとのことで、2番からバンドと一緒に合流してくるという構成。バリバリのロックンロールだけじゃなく、こんな哀愁漂う夜の曲が似合うのもフラッドの魅力ですね。
「D E K O T O R A」
とか言うてたら、今作最大の問題児。
この曲はもう、ライブでの化け具合が凄まじ過ぎるので、今すぐ公式のTikTokアカウントで撮りたてホヤホヤのライブ映像を見てきて下さい。
@afloodofcircle a flood of circle Live At 金沢vanvanV4 2025年6月13日(金)Zepp DiverCity Tokyo 🎟️チケット発売中🎟️ https://lnk.to/afloodofcircle #フラッド #金沢 #ベース女子 #YAMAHA
今やってる最新ツアーの最新曲のライブテイクをこんな何公演分もフルで載っけてくれるだなんて、(マジで)何て太っ腹なバンドなんでしょう!!!本当にいつもありがとうございます!!!
この曲のヤバい所はたくさんあるのですが、1番ヤバい所は、”歌詞が書けなくて録音飛ばした所から始まってるところ”かと。
歌詞書けなくて悩んでる所から、”YEAH”しか言ってない(良い意味で)中身が無い話をほぼノンフィクションでこんだけ話を広げて、最高のロックンロールに昇華させて、日本全国の同じようなやつらに、爆弾を届けに回ってくれるのが普通に凄くないですか?歌詞のネタすら要らないんですか?みたいな(笑)
とにかく、この曲はライブ映像を観てもらえるとヤバさが1発で分かるかなと思います。あと、ベースの曲みたいなところあるので、HISAYO姐さんのテンションもぶち上がってるところも見所かと思います。
タイトルの文字間全てにスペースが空いているのは、他の同名曲と被りたくないというこだわりとのことです。この狂気の歌を叫び終え、ため息をつく間も無く次の曲へ…
「ファスター」
今作のリード楽曲かつ、最もこれまでのフラッドっぽい1曲。ギターリフ1発の曲。
アルバム発売前にMVが発表されるのも早かったし、ライブで演奏するセトリ順も早かったし、そもそもライブでのテンポがとんでもなく速かったです。全部が速い(笑)
ネット上でも、ウチの妻も、「パスタ〜♫」に聞こえるなぁ〜と一部界隈で話題に。
この曲はもう、解説もいらねぇよ〜。みんなの夢、ファスター。聴けば一発で分かります。以上。
「キャンドルソング」
アルバム前にE.Pとして新曲5曲入りでリリースした「CANDLE SONGS」の(ほぼ)タイトル曲。そして、あのアジカンのゴッチさんプロデュースの楽曲。理由は前述のホリエさんとほぼ同じだそうで。
MVは福島県にある”磐梯山”という山で撮影したとのことです。
今作のアルバムツアーの最初の方の公演では、佐々木さんの正直過ぎるMCがファンを心配させたり、仲の良い対バン相手にお叱りを受けたりしていたそうのですが…(今は大丈夫!なはず!)、そんなウワサをネット上で見聞きしたまま、なんか「自分で自分を追い詰め過ぎて、とうとう壊れてしまったんじゃないか…?」と結構本気で心配しながら、観に行った昨年末の大阪堺ファンダンゴ初日ワンマン公演での、この”キャンドルソング”が前回のEPツアーを超えて、自分の中でピッタリとハマってしまい大人気もなく大号泣してしまいました…(泣)
ラストのサビの”ユラ〜ユラ〜ユラ〜♫”の合唱の中で歌う、佐々木さんの言葉が、バンドとして辿り着いた”1つの答え”として、圧倒的な説得力と正解感が凄くて本当に感動してしまいますね…。
最後に余計な事を言うと、アルバムとE.Pのスタジオ音源で聴くと、ギターに珍しく揺れているようなエフェクトがかかってる分、いつもよりかは音が”か細い”ような気がしないでも無いのですが、ライブではエフェクトも端折ってOFFられて、一切消える気がしないくらいゴリゴリの強過ぎるバンド演奏で聴くことができます(笑)
「ベイビーブルーの星を探して」
いきなり全開で叫んでるCメロから始まる、ツアー中の曲作りが滞ってしまい、九州のどこかの湖?でボートに浮かんでる時に産まれた楽曲だそうです。(うろ覚えですみません…。)
今作「WILD BUNNY BLUES」収録の楽曲は、音像的には”カラッと明るめ”というか、”風通しがとても良い雰囲気”の楽曲が多いように聴こえるのですが、今作の歌詞は、なんとなく全曲通ずる部分があって、基本的に主人公はとても悩んで疲れ果ててくたびれてるんだけど、君(自分ではない誰か)にはとても優しいんですよね。御守りのくだりとか、佐々木節全開のとても優しい歌詞だと思います。
個人的にはもう、”最高傑作”と呼んでも差し支えないぐらいに大好きな前作の大名盤を作って間も無く、シングルやリード曲以外にも、こんなにも”良い歌”を作れるだなんて、作曲のペースと平均点が高過ぎて、本当に凄すぎると思ってるのですが、何故こんなにも売れない売れないと言われてしまうのでしょうか。「本当に凄いぞ!この人とこのバンドは!」ってめっちゃ思ってしまいますね。
「屋根の上のハレルヤ」
ギターのアオキテツ君初(?)のボトルネック奏法によるイントロが印象的な、アルバムの最後の曲感が凄いけど、実はラストから2曲目の楽曲。たぶん少し前のフラッドなら間違いなくラストに収録してた気がするくらいの大名曲。
「ピアノの連弾って、あんまりロックバンドの歌詞になっていないし、なんとなく良いな」というアイデアから出来上がった1曲だそうです。だから、たったそれだけのモチーフからこんだけ名曲に広げられるのが凄くないですか?って。
佐々木さんの手にかかれば、「“ひとり”すらもこんなに前向きに捉えられるのか」みたいな。そんな視点があるんですねみたいな。ご本人は伏線回収みたいになってしまって大変恥ずかしいそうなのですが、あれだけ”ひとり”で悩んでた主人公が最終的に”オレ達”に辿り着けて良かった良かった。
「11」
我らがテツ君が、頼まれていないけれども自発的に作詞作曲してバンドに持ち込んだという楽曲。
最初に本作の発売アナウンスがあった時は、正式にタイトルが「DAVID BOWIE」だったのに、レコード会社のテイチク様がちゃんと確認して、ちゃんとダメになり、その時点ではアルバムの11曲目ということは決まってたので、「じゃ、11(イレブン)でいいです。」ということで、このタイトルに決まったそうです。
“ひとり”じゃないって直前に歌ってて、最後に本当に”ひとり”ではない”オレ達”で終われるのがいいなということで、今作の最後に収録されることになったそうです。
佐々木さんとテツ君がWボーカルで歌ってるので、サテツ感が凄い。サテツwithヒナベ。
おわりに
以上、「WILD BUNNY BLUES」収録の11曲を全曲ご紹介してみました。
これだけの頻度で、これだけ良い作品を作り続けて、これだけ全国各地で良いライブを爆発させ続けていても、なぜか売れないと言われ続けてしまうのは、たかが1ファンの私としても全然納得できない状況で、なぜなんだろう?という感じです。マジで。
でも、このアルバムは“良い意味”で通過点にしか過ぎないように思わせてくれるスピードで駆け抜けているバンドの現在を切り取った一部にしか過ぎないような気がしています。(何様目線やねんですが)
ただの1ファンがそう言いたくなってしまうくらいには、今の”a flood of circle”の勢いが凄まじいので、何かのご縁でこの記事を読んで下さっている方がいらっしゃいましたら、試しにこのアルバムを是非聴いてみてください。
長文にお付き合いくださり、ありがとうございました。

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