お久しぶりです、まんじろう(@manjirooblog)です。
最近は、自分のYoutubeチャンネルの方に注力しておりましたが、もちろん引き続きブログの方もコツコツ更新していきますので、よろしくど~ぞお願いします。
というわけで、a flood of circleが最高のロックンロールアルバム「2020」をリリースしてくれましたので、アルバム全曲をご紹介してみようと思います。
それでは、どうぞ!
a flood of circle「2020」全曲紹介
「2020 Blues」
はじめに、この「2020」は昨年の時点で構想が練られ、レコーディングも約半分は完了していたため、文字通り世界的にとんでもない1年となってしまった”2020年”における「”コロナ禍”を意識して制作されたアルバムではない」ということ、そして今作は「“真犯人”である=”佐々木亮介”が各楽曲のデモ音源、枠組み、曲順、アルバムの展開を事前に1人で決め、それに沿ってバンドメンバーと一緒に制作されたコンセプトアルバム」であるということ、佐々木さん曰く「“圧倒的なロックンロール・アルバム”を作りたかった」とのことです。という前提でご紹介していきます。
まるでライブ音源かのような始まりのドラムから一気に引き込まれる、アルバム「2020」のオープニングを飾る今作のトーキングブルース枠。
次々と羅列する勢いの余り、歌詞カードには書かれていない「マジで」がついつい飛び出ちゃうほど、まるで“闇の中”に囚われているような昨今のあらゆる事象、風潮、常識に対して叫ぶだけ叫び散らしたあげく、
「それが一体なんだっつーんだよ?始めようぜ」と宣言する、最高のオープニング楽曲。
IN THE DARK
普通の一般の常識の正常の正義の
コンプライアンス
ロックは生き様とか(マジで)もうそんなんどうでもいいんだよ
「Beast Mode」
前曲から間髪入れずに突入する、アルバム先行リリースシングル曲。
そもそも前曲の「2020 Blues」は、この「Beast Mode」が先行リリース時よりも新鮮に聴こえて欲しいという願いのもと、同じテンポ、同じコード進行で制作された楽曲であるため、双子のような楽曲です。
当初は、ライブ会場(「Lucky Luckyツアー」)のオーディンスから”コーラス”もとい”叫び声”を録音して制作されたため、ライブ会場限定シングルとして企画されていたが、コロナ騒動により「A FLOOD OF CIRCUS 2020 大巡業」ツアーが中止となってしまったため、その後通販でリリースされることとなりました。
その後、フェス形式ではなく生配信ワンマンライブに変更された「A FLOOD OF CIRCUS 2020」で初披露されました。(その際も「2020 Blues」とセットで演奏され、その映像は「2020」初回限定版付属のDVDに収録されています。是非。)
どこかのコメント欄に書かれていたのですが、「10年前に”ヒューマンライセンスを今見せてやる”と歌っていたバンドが、今は”人間やめちゃうわ”と歌っている」のが最高ですね。
この曲はもう、MVを観れば一発でわかります。”さっさと観ろよ!”
「ファルコン」
さらに間髪入れずにぶち込まれるのが、前2曲のテーマをさらに後押しするようなゴリゴリのロックチューン。
「闇の中」を「本気出して」、「ロックンロールでぶち壊せ」。一切の捻り無しでゴリ押ししているところと、ロックンロールアイコンであり、佐々木さんご愛用の”ブラック/ホワイト ファルコン”をモチーフにしているところが最高ですね。
CD原曲でも痺れますが、ライブで聴けばさらに呑み込まれてしまいそうな危ない1曲ですね。切実にライブに行きたいですねぇ…。(2020年は、ライブ参戦が1月に1本だけという、異例の1年となってしまいました。ぶち壊したいですね。)
完成の法則 転がるやつは
未完成が完成のロックンロール
「Super Star」
ここから少し落ち着いた雰囲気となり、優しいafocを聴くことができます。
ここまでの3曲みたいな“泥臭い強気のフラッド”ももちろん大好きですが、アルバムやライブの数曲でみせてくれる“ファンと対等に接してくれる優しいフラッド”もたまらなく好きで、この「Super Star」はそんな1曲だと思います。
コロナ前に制作されているとはいえ、今のこの状況で聴くと切ないですね。
そして、次にもっと優しい1曲が控えています…
輝いている君は僕のスーパースター
何度でも闇を割いて光ってるのさ 今もずっと
今夜輝いている僕が君のスーパースター
何度でも闇を割いて会いに来たぜ
そんな夜を今も追いかけてる
「天使の歌が聴こえる」
フラッド楽曲の中では”異色のタイトル”かと思いますが、今作最大の名曲だと感じています。
YouTubeにて期間限定で配信されていた「2020特番」として、佐々木さんと対談していたTBCことユニゾンスクエアガーデンの田淵さんも、この曲を大絶賛されていました。
“あなたが生きてる今日は史上最高だ”。佐々木さんご自身でも仰っていましたが、「何でもアリと思っていたい。」ということをずっと言われていて、「スーパーハッピーデイ」を筆頭に歌詞についても、これまででは絶対使われてなさそうな言葉を、あえて使っているように思います。そして、そこが最近のa flood of circle と佐々木亮介さんの大きな魅力になっていると思います。
このブログでも何度でも書いてますが、私個人的にも”佐々木さんの歌”に助けられ、おかげでかなりポジティブに物事を捉えることができるようになったと感じています。
前曲の「Super Star」と共通するテーマを歌っており、それぞれで”人”と”歌”がモチーフになって対になっている流れや、“叫んでいる歌”となっている所がフラッドらしさに溢れていて、たまらなく大好きな1曲になりました。
ベースのHISAYO姐さんがコーラスで参加されているafoc初の音源でもあります。
あなたが生きてる今日は史上最高だ
悲しい夜を超えたら また会えるように
遠く離れても決して忘れないで
そこに宛てて叫んでいる歌があること
「Free Fall & Free For All」
アルバムに先行して、Lucky Luckyツアーで既に演奏されていた新曲。
ライブでは比較的自由に演奏していたが、ドラムのナベちゃん希望により、アルバム版はカッチリとした感じで録音されたらしい。途中、一気にテンポが上がる”暴走パート”も追加されていました(笑)
YEAH YEAH YEAH YEAH YEAH
ドキドキしてるなら
YEAH YEAH YEAH YEAH YEAH
100%生きてるんだ
「人工衛星のブルース」
「コインランドリー・ブルース」や「月に吠える」のような、歌モノブルース枠。
NHK-FMの「サウンド・クリエイターズ・ファイル」というラジオ番組を、2020年10月の1か月間だけ佐々木さんが担当されていた時に、この曲のデモ音源を流してくれて、当初は人工衛星ということで、ボーカル音声を機械的に加工した音源だったのですが、バンドと生で演奏している内に機械による加工を辞めて、今の形になったとのことです。デモ音源のバージョンもかなり素敵でしたけどね。ファンクラブ限定でも良いので、これまでの楽曲のデモ音源をたくさん聴き比べしてみたいです。
この曲は、佐々木さんソロでの弾き語りでも映えそうな名曲ですよね。「2020」の購入特典で付属してきた佐々木亮介手書きによるセルフライナーノーツに、この曲は紹介文無しでコード進行が掲載されていたので、また弾き語りでも挑戦してみようかなと思います。
佐々木さんの落書きによる”ブルースくん”主演のMVも、切な可愛くてイイですね。
「Rollers Anthem」
こちらは、アルバム発売より先にMVが公開されたリードトラック。そのMVがこれまでのa flood of circleのライブ映像で構成された、まさにフラッドの歴史のような映像作品になっていて、長年のファンを泣かせにかかってきてます…(笑)
激しいフラッドも、優しいフラッドも大好きで、もう1つ大好きな部分が「リアル」であること。この曲はまさに「ノンフィクション」なフラッドが詰まった名曲だと思います。
嫌な現実から目をそらして空想に逃げるのではなくて、“間違って”でも“疑って”でも現実としっかり向き合って、どんな理不尽に打ちのめされても“転がり続けて”、“生き延びていく”。“誰がなんと言おうと”それが“ロックンロール”と、代弁してくれる熱くて優しい歌。
やったことも無いくせに、何でもかんでも調べればすぐに分かった気になるような、この冷めた現代において、この歌に救われる人は少なく無いんじゃないかな?と思ってしまいます。
早くこの曲をライブハウスで、みんなで大合唱したいですね。
「ヴァイタル・サインズ」
中盤からここまでポップな感じで比較的”イイ子ちゃん”だったのが、この曲からクルっと”悪い子モード”に切り替わるのが、唐突すぎて個人的にツボで最高です(笑)
アルバム発売前にイベントやフェスで先行して演奏されていた、まさにライブ向きのとても激しい楽曲。この曲は佐々木さんがハンドマイクでギターを持たず、ギターのアオキテツ君のカッティングがめちゃくちゃキレッキレでカッコ良いです!
この楽曲のレコーディング時にはクリック(テンポを確認するためのメトロノーム電子音)を聴いていないので、これこそが生のa flood of circleのグルーブだそうです。最高ですね。
ヴァイタル・サインが確認できません
ヴァイタル・サインが確認できませんWE’RE GONNA DIE DIE DIE DIE DIE
WE’RE GONNA DIE DIE DIE DIE DIE
WE’RE GONNA DIE DIE DIE DIE DIE
WE’RE GONNA DIE DIE DIE DIE DIE
「Whisky Pool」
afoc恒例のお酒ソング。ウイスキーボンボンはお菓子なので被ってはいない?(笑)
曲調が変わる中盤の「晒す 暴く…」の部分は、ギターのテツ君がメロディ/歌詞ともに作ってきたパートだそうで、しっかり「SATETSU」での活動が反映されていて嬉しいですね。
そして、曲中で2段階も上に転調するという、まさにウイスキーを呑んだくれているような、誰にも止められないゴキゲン過ぎるパーティソングでした。
It’s like Whisky every morning Whisky every night
絶好調 ハシャごう 今夜イイ子じゃなくてイイぜ
Whisky every morning Whisky every night
君の超イイとこ 俺はちゃんと知ってるから
「欲望ソング(WANNA WANNA)」
前々作の「ハイテンションソング」に続く、良い意味で偏差値の低いパワーソング。
今回の「2020」で1番中毒性が高い、危険なロックンロールだと思います(笑)
ド頭のギターリフと「WANNA WANNA」が頭の中で無限ループされるのと、「YEAH YEAH YEAH YEAH YEAH」ではなくて「嫌 嫌 嫌 嫌 嫌」となっている歌詞に狂気を感じます。「ヤりたい」もきちんと「演りたい」になっているので、ご安心を。
とても「Super Star」や「天使の歌が聴こえる」と同じ人が書いている楽曲に聴こえてこないのが、振り切れてて最高ですね。ちなみに今、佐々木さんが欲しいものは自社ビルと自社スタジオだそうです(笑)
最後の少し蛇足にも思える、「欲しい 欲しい 欲しい 欲しい」のパートは、何でもかんでも合理的にしすぎる世の中へのアンチテーゼでもあるみたいです。
嫌嫌嫌嫌嫌 嫌嫌嫌嫌嫌
嫌嫌嫌嫌嫌 嫌嫌嫌嫌嫌
どうせ棺桶までのドライヴ
演ること演ってから死にたい
「火の鳥」
そしてラストを飾るのが、6分にも及ぶ大作「火の鳥」。
挟み込んだような語りパートがあるのが、ソロ作品である「LEO」の流れを汲んでいるように思えて、大好きな名盤だったので少し嬉しかったです。
この曲の制作が完了した時に、ベースのHISAYO姐さんから「佐々木は”今回ソングライティングがんばったで賞”やで」と連絡が来たそうです。いや本当に、たくさんの名曲を届けてくれてありがとうございます。
この曲の終盤で演奏がブレイク(空白)する部分があって、そこの間の取り方がもう、まるでライブでの演出のような贅沢な間の取り方で、1曲目から今作「2020」はあくまでもライブでの演奏を前提に制作されていることが感じられます。
何かのインタビューで明言されていましたが、フラッドのレコーディングでは「ライブでできないことは、レコーディングでもしない」という生粋のライブバンドとしての原則があるそうです。その原則こそが、毎回熱いライブを展開してくれる a flood of circleの秘訣かもしれませんね。
おわりに
以上、a flood of circle「2020」収録の12曲を全曲ご紹介してみました。
メンバーも方向性もガッチリ固まった絶好調なフラッドによる、圧倒的なロックンロールを聴かせてくれる熱い名盤だと思いますので是非チェックしてみてくださいね!
長文にお付き合いくださり、ありがとうございました。
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