Mr.Children「SOUND TRACKS」全曲紹介 ~人生の終わり=”死”を見据えた時に感じるものとは?~

アルバム全曲紹介

お久しぶりです、まんじろう(@manjirooblog)です。

今日は、Mr.Children20枚目のアルバム「SOUNDTRACKS」を全曲ご紹介しようと思います。

このアルバムは、全曲海外レコーディング(ロンドン/ロサンゼルス)にて制作されたアルバムとなっており、いつものアルバムとは音の雰囲気が全然違うように聴こえます!

そんなところも踏まえて、それではどうぞ!

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Mr.Children「SOUND TRACKS」全曲紹介

「DANCING SHOES」

不穏なイントロから始まるものの、サビで一気に”開き直る”痛快なダンスナンバー

怪しげなイントロ・Aメロを抜けると、Bメロで豹変!?「We were born to be free」と一気に開放的なサビに突入していきます。

「その両手に繋がれた鎖、タンバリン代わりにして踊れるか?」が最高ですね。

KANさんのラジオ番組にて、桜井さんご本人曰く「最近、英会話教室に通い出してからは、英語詞にも感情移入できるようになった。」そうで2Bメロでのあちらを立てれば こちらは濡れず」の歌詞がアルバム1の出来栄えだそうです。ド下ネタ…(笑)

(今のところは)叶わなかった「Tour 2021 “SOUNDTRACKS”」が開催されていれば、恐らく1曲目に演奏されて、会場も大盛り上がりだったことでしょうね!!

Hey boys, come on  Let you wear the dancing shoes.
その両足にかせられた負荷に 抗いステップを踏め!
弾む息を大空に撒き散らして 君は思うよりカッコ良い
さぁ Do it, do it, do it, do it!!

「Brand new planet」

ドラマ「姉ちゃんの恋人」の主題歌となった、今作で1番キャッチーな楽曲。

「新しい欲しい」まで「消えかけの可能」を見つけにいく、オシャレなダジャレソング

インタビュー等で、「アルバム制作後に振り返ってみると、ロンドンへ新しい音楽を求めていた僕ら(Mr.Children)自身のテーマソングでもあったのかも。」とのこと。

恐らく一般的にこの「Brand new planet」を聴くと、爽やかでキャッチーで希望に満ちた楽曲に聴こえるのだと思うのですが、個人的には「あのミスチルの楽曲ですよ?」ということ、今作「SOUNDTRACKS」のテーマを踏まえると、

今まで「(生きていくために)飼い殺してきた憧れを開放」できるのは、自分の未来に明らかな「」が見えてきたが、「でも(生きている)今なら遅くはない」から

とも捉えることができそうなのが、ミスチルの大好きなところですね。

「turn over?」

ドラマ「おカネの切れ目が恋のはじまり」の主題歌にもなった配信限定シングル曲で、演奏時間=3分25秒というミスチルシングル楽曲史上最短の1曲

「turn over = ひっくり返す」という意味らしく、「“映画”や”愛”に正面から文句を言ってしまう程、かなり現実主義的な主人公の思考を、クルっとひっくり返しちゃうほど魅力的な”キミ”との可愛いラブソング

タイトルに「turn over?」と「?」が付いているのが、状況を把握しきれていない主人公の戸惑いを表していてポイントですね(笑)

面倒臭くて手に負えないな この愛という名の不条理
懲り懲りだって思うけど キミ無しじゃ辛い
forever love I’ll make you smile
叫びたいくらいだダーリン
この人生で最大の出会いと悟ったんだ
我が人生で最愛の人はそう キミ一人 ただ一人

「叫びたいくらいだダーリン」が「しるし」を意識していると思うのは、深読みし過ぎですよね~(笑)

「君と重ねたモノローグ」

映画「ドラえもん のび太の新恐竜」W主題歌の1曲であり、38th両A面シングル楽曲

また、演奏時間=7分32秒がミスチルシングルA面楽曲中最長とのこと。

桜井さんが映画のシナリオを読んで、最初に書き下ろした楽曲だそうです。この曲の歌詞については映画を観るのが1番良いと思います。映画制作側によるMr.ChildrenへのVIP待遇が凄く、とても印象的な楽曲の使われ方をされていたので、ミスチルファンは是非とも映画「ドラえもん のび太の新恐竜」をご覧ください!

他にも、歌の隙間に聴こえてくる田原様のクリーンなギターフレーズが心地良かったり、ラストサビでの転調でグッと心に迫って来たり、アウトロが終わらずにそのままセッションへ展開していくなど、様々な聴き応えのある1曲だと思います。

それでも前を向けたのは 君と重ねたモノローグが
孤独な夜を切り裂きながら この心強くするから
僕に翼は無いけれど 君となら高く飛べるよ
光が射す その大空を 風の詩を聴きながら飛んで行こう

「losstime」

今作の折り返し地点にして、ストレートに「死」をテーマとしたアコースティックな楽曲。

これはもうタイトルが切な過ぎるでしょう…。ロスタイムって…。

こんな若造が、現時点ではこの歌に口出しできるようなことは何もございません…。

みんな いずれ そこに逝くからね
生きたいように 今日を生きるさ
そして 愛しい君をぎゅっと抱きしめる

「Documentary film」

12年振り2度目の出演となった「第71回NHK紅白歌合戦」にて演奏された楽曲、そして今作「SOUNDTRACKS」収録曲で1番最初に制作された、最重要楽曲

「君が笑うと 愛おしくて 泣きそうな僕を」

君が笑うと僕も笑うのではなく、その笑顔にあと何度逢えるか考えてしまい、泣いてしまう

これまでMr.Childrenがいつも歌ってきた”何でもない日常”を歌っている楽曲なのに、このアルバムの世界観や、ストリングスも含むアレンジによって、いつもと全く聴こえ方が違ってくる、これまでにない新しいパターンの大名曲だと思います。

ある時は悲しみが 多くのものを奪い去っても
次のシーンを笑って迎えるための 演出だって思えばいい

特にこの2番のBメロなんか、いつもの起死回生節のはずなのに、ここでは諦めて自分に言い聞かせてるようにしか聞こえてきません…

桜井さんご本人でさえも、この楽曲のストリングスのレコーディング時に涙してしまい、弦のレコーディングで泣いたことなんて初めてだったそうです。「Documentary film」必聴です。

「Birthday」

「君と重ねたモノローグ」と同じく、映画「ドラえもん のび太の新恐竜」W主題歌の1曲であり、38th両A面シングル楽曲。

アコギのギターリフが印象的な、透明感のある音像ながら、とても熱いロックチューン

そして私得なことに、桜井さんがあの“The Birthday”のライブを観てインスピレーションを得た上で制作された楽曲とのことでした。(桜井さん、チバさんの話はほぼ出てこないのにライブ観に行ってるんだなぁ~。歓喜!!)

という経緯があり、今作で1番熱い楽曲かと思います。後半に進むに連れてキレッキレに迫ってくるストリングスにも鬼気迫るものがあるかと思います。これこそライブで聴きたい1曲。

It’s my birthday
消えない小さな炎を ひとつひとつ増やしながら
心の火をそっと震わせて 何度だって僕を繰り返すよ
そう いつだって It’s my birthday

「others」

アルバム発売前から、KIRIN缶酎ハイのCMとしてTVで流れていた楽曲。

この曲はもう誰が聞いても明白な程に、演奏/歌詞ともにアダルトな雰囲気が漂うこれまでのミスチル楽曲の中では異色の楽曲だと思います。

タイトルについては、主人公の存在は“君”にとって「others(他人)」であることから付けられたそうです。タイトルの付け方が容赦無いのは、ミスチルあるあるですね(笑)。

君の指に触れ くちびるに触れ 時間が止まった

硬い氷は溶け 身体中を滑る 2 人の熱で

「The song of praise」

日本テレビ系列『ZIP!』テーマソングにもなった、コーラスが特徴的な歌モノソング。

パッと聴くと、今作「SOUNDTRACKS」の中で1番抵抗している歌のように聴こえますが、よくよく歌詞を見てみるとけっこう諦めムードが漂っているように感じる1曲

現状に決して満足している訳では無いが、皆で作り上げているこの世界を憎みながら、憐れみながら、呪いながらもどうにか讃えていきたい。そんな歌だと思います。

こんなに弱気なミスチルが聴けるのも、今作ならではかと。

積み上げて また叩き壊して 今僕が立ってる居場所を
嫌いながら 愛していく ここにある景色を讃えたい

「memories」

今作のラストを飾る、バンドによる演奏が無くピアノとストリングスのみで歌われる切ない1曲

主人公が、(恐らく死んでしまった)君との思い出(=memories)を胸に、いつまでもいつまでも待ち続けるという歌

ここまで”死”や”終わり”を見据えて、諦めムード全開で歌い続けてきた最後に、希望の楽曲をひっそりと収録するところが、本当にMr.Childrenらしいですね。

今作は本当に年齢を重ねて、自分の人生に終わりが見えてきた時にこそ染みるような名曲ばかりで、現時点でまだ28歳の若造がこのアルバムの魅力を語るには経験不足でしかないように思えました。

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おわりに

以上、「SOUNDTRACKS」収録の10曲を全曲ご紹介してみました。

「人生の終わり=死」を意識しているからこそ響くような想いが込められた、決して明るくは無い、感慨深い大人の味わいができる作品だと思いますので、ご興味のある方は是非聴いてみてくださいね。

長文にお付き合いくださり、ありがとうございました。

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